ファンクラブ結成バッジとファンクラブ本部[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『ファンクラブ結成バッジ』(291)を身に付けた者は、『ファンクラブ本部』(291)から発信された指令電波に逆らえなくなる。このひみつ道具の熱狂度目盛りを上げるとファンが殺到し、サイン会も長蛇の列ができるようになる。

 

【使用目的】 ジャイアンが長い芸能生活でファンの中からクラブを作ろうという動きが盛り上がらないといって、泣きながらドラえもんに訴えた。そして、「ファンクラブ製造機を出してくれ!!」と懇願したので、ドラえもんは「ファンクラブ結成バッジ」を出している。

 

【使用結果】 ドラえもんの努力によって、「ファンクラブ本部」への入会申し込みでは、みんな強制的に会員となり、十五人の会員を確保した。

 

  ジャイアンは「デヘヘ、おれのファンクラブ!!」と感激し、「これでおれが町を歩くと、ファンがキャーキャーさわぐわけか。サインをねだってむらがってくるわけか」と、夢はドンドンふくらんでいった。

 

 ジャイアンが町を歩いていると、スネ夫にあったので、「サインほしい?」と尋ねると、「いいよ、また今度」と答えると、「いいてことあるか! ファンのくせに」とスネ夫の買ったばかりのスケッチブックに、この日のために猛練習したサインを「シャ シャ シャ」と書いた。

 

 ジャイアンは右手でハンカチを振りながら、「これからも応援してね!」と頼んでいる。スネ夫は「チェッ、買ったばかりのスケッチブックに…」とブツブツ文句を言いながら、写生に出掛けている。

 

  ジャイアンが「なんかこう…ちがうんだよな…、さめてるというか熱意が感じられない」と嘆くので、ドラえもんは「ファンクラブ本部」の「熱狂度目盛り」を挙げることにした。

 

 すると、「キャー。サインして!」の熱狂に対して、「この人気にはまいったなあ。おれサングラスかけよう。おれ、歌手になってよかった。こんなにもみんなに愛されて…」と涙を流して、サインを続けていた。

 

 調子に乗ったジャイアンは熱い声援に応えて、チャリティーコンサートをやりたいと言い出し、ドラえもんにポスターやキップの印刷機なんかを出してほしいと頼んでいる。ポスターが出たとたん町に人けがなくなってしまった。

 

「ファンクラブ本部」の指令もジャイアンの歌のひどさに勝てませんので、キップも全く売れなかった。ジャイアンから「一枚も売れなかった!!」と怒鳴られたので、のび太は「歌わないと約束すれば売れる」と口を滑らしている。再度、バッジをもっとばらまいて、目盛りも最大限にアップした。

 

 するとキップに殺到して、「おれが先だぞ。わたしが先よ!! おさないでおさないで一列に並んで。ワー キャー ヒー ワー」と大パニックになって、全部売り切れてしまった。

 

 空き地では子どもたちが行列していたので、「コンサートはあしただよ」と告げても、子どもたちは「わかってるよ、徹夜していい席とるんだ」とヒートアップしていた。

 

 子どもたちが帰らないので、ジャイアンになだめてもらおうとした。ジャイアンが「きみたちの熱意はうれしいが、お父さんお母さんが心配なさるから…」と口火を切ると、「タケシ!! キャ~。さわらせて~。ギャ、いたい、やめてくれ!!」と大混乱な状態になってしまった。

 

 ジャイアンは満身創痍で、息もとぎれとぎれの様子で、ドラえもんに「ファンこわい…。クラブ解散させて…」というのが精一杯であった。

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ファンクラブ製造機

 ジャイアンはドラえもんに泣いて、「ファンクラブ製造機」を出して欲しいと訴えている。これはひみつ道具ではない。

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