オールマイティーパス[★★]

[初出誌] 『オールマイティパス』、「小学五年生」19774月号、10頁、60コマ

[単行本]  『オールマイティーパス』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第15巻」1978725日 初版第1刷発行、10頁、64コマ

[大全集] 『オールマイティーパス』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 62010330日 初版第1刷発行、10頁、64コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「入りたければ首相官邸でも銀行の金庫室へでも」が「入りたければ首相官邸でも

  銀行の金庫室にでも」に変更[333(5)]

 「気はたしかなの?」が「行けるの?」に変更[338(6)]

 

 「どうぞおかけになって」、「な、うそじゃなかったろ」コマ挿入[340(4)]

「悪いけどゆっくりしていられないんです。六時前には帰らなくちゃ」コマ挿入[340(5)]

 

「スミレさんと話してるとたのしくて時のたつのをわすれるよ」が「でもスミレさんと話してると、楽しくて時のたつのをわすれちゃうなあ」に変更[340(6)]

「しまった!」コマ挿入[341(2)]

「ハッ」コマ挿入[341(3)]

 

[梗概] ドラえもんはひみつ道具『オールマイティーパス』の期限が、あと五時間しか残っていないと大騒ぎしていた。このパスを使うと、車でも飛行機でもただで乗ることができ、さらに、首相官邸でも銀行の金庫室にも自由に出入りできるものである。

 

 ドラえもんから途中で切れたら帰れなくなると言われたが、まだ五時間残っているので、のび太はこのパスを貸してもらって、しずちゃんと一緒に、普段入ることのできない、喫茶店やパチンコ店に入っている。

 

 名画座では、星野スミレの映画をやっていたが、映画を見ないで、タクシーを使って、スミレちゃんの家に直接行くことに決めた。立派な門構えの家に到着すると、「どなた? 星野はいそがしくて…」と断られたが、のび太がパスを見せると、お入りくださいと言われ、スミレちゃんの部屋に勝手に入っていった。

 

 部屋に入ると、スミレちゃんから「だあれ!?」と言われたが、パスを見せると、「どうぞおかけになって」とソファーに座ることになった。のび太としずちゃんがスミレちゃんと話していると、楽しくて時の立つのを忘れてしまっていた。

 

 期限の時刻である六時に置き時計が「チーン」となると、「ハッ」となったスミレちゃんから、「どなた? いつのまにへやへ上がりこんだの!」と詰問されてしまった。

 

 あわてて部屋を出て、タクシーに乗ろうとしたら、パスを見せても、運転手から{なに? それ」と言われ、乗車を断られてしまった。しずちゃんものび太も一円も持っていなかったので、ふたりは歩いて帰ることになった。

 

 のび太が「車で三十分のところ歩いたら、どれくらいだろうね」と尋ねても、腹を立てたしずちゃんは「しらない、しらない」と言うばかりであった。

[S0649A1507057704]