お金のいらない世界[★★]
[初出誌] 『もしもボックス』、「小学五年生」1977年1月号、8頁、49コマ
[単行本] 『お金のいらない世界』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第13巻」1977年4月25日 初版第1刷発行、8頁、49コマ
[大全集] 『お金のいらない世界』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 5」2010年1月30日 初版第1刷発行、8頁、49コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『もしもボックス』が『お金のいらない世界』に変更
「あーあ」が「あああ」に変更[411(4)]
「あわれ」削除[414(6)]
【単行本vs.大全集】
「あわれこじき」削除[32(6)]
[梗概] のび太はママにお金を借りようとしたが、きっぱりと断られ、そのうえ、ヨーヨーをしているドラえもんからは、「きみはいつもお金をほしがってるやつだな」と言われてしまった。
お金のことでいつも苦労すると、ため息をつきながら、「お金のいらない世界にすめたら気らくだろう」と考えていた。すると、ドラえもんがひみつ道具『もしもボックス』を出してくれたので、お金のいらない世界を電話で頼んでいる。
のび太が模型堂で、ラジコン飛行機をただでもらって帰ろうとしたら、主人から呼び止められ、代金二万六千円を持っててくれなくちゃこまると言われた。すばらしい世界だと感動して家に帰ると、ママが「こまったわ。今月も赤字でちゃった」と嘆いていた。
二万六千円を差し出すと、顔を真っ赤にしたママから、「また、むだもらいしなのねっ」と怒鳴られてしまった。野比家の押し入れはお金がたまりすぎて、パンク寸前の状態であった。
パパが大変だと叫びながら、会社から帰ってきた。パパは知らないうちに、スリにふところへ十万円も入れられてしまった。その話を聞いて、ママはもうやりくりできないと、頭を抱えていた。外に出ると、乞食までがのび太に対して、一円でもいいから持ってってとお願いしている。
のび太がお金を埋めようとすると、警官に見つかり、お金を捨てたものは捨てた金の十倍を罰金で取られた。さらに、のび太は重要文化財のツボを、ぶつかってめちゃめちゃにしたので、持ち主のおじいさんから、弁償として、一億円を受け取らされることになった。
気が変になりそうな状態で、多額のお金を背負って「ヨタヨタ」家に帰ると、のび太は、早速、「もしもボックス」から電話して、元の世界に戻してもらっている。
ためしに模型堂に行って、おもちゃを買って帰ると、店の主人に呼び止められ、「二万六千円」と言われた。のび太が「それはぼくがもらうのか、はらうのかどっち」と尋ねると、主人は真っ赤な顔をして、商品を持って帰ってしまった。のび太は「たしかにもとの世界だ。よかったよかった!」と大喜びしている。
[S0558・A1304・057701]