オーバーオーバー[★★]
[初出誌] 『オーバーオーバー』、「小学五年生」1976年12月号、8頁、45コマ
[単行本] 『オーバーオーバー』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第13巻」1977年4月25日 初版第1刷発行、8頁、45コマ
[大全集] 『オーバーオーバー』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 5」2010年1月30日 初版第1刷発行、8頁、45コマ
【初出誌vs.大全集】
「つかまったら食べられるぞっ」が「海賊がおそってきた!!」に変更[408(5)]
[梗概] のび太は表に出ても、のんびりおだやかな平和な世界で、つまんないから、家でゴロゴロしながら、マンガを読み、「ハラハラドキドキ」していた。世の中が悪いんだと嘆き、いっぺんでいいから「ハラハラドキドキ」するような大冒険をしたいというので、ドラえもんはひみつ道具『オーバーオーバー』を出している。
のび太がこのオーバーを着ると目の前にサソリが現れた。ドラえもんがはえたたきで「ペシツ」とつぶしたので、驚いて、オーバーを脱ぐとゴキブリであることがわかった。このように、これを着るとできごとがオーバーに感じられ、たいしたことじゃなくても「ハラハラドキドキ」できるものである。
大冒険に出掛けようとすると、ママから「宿題はおわったの?」と問われたので、振り返ると、出刃包丁をもった鬼婆が追いかけてくるように見えた。外に出ると、目の前にライオンが現れたので、驚いていると、ドラえもんから子犬と耳打ちされ、「思い切って戦えよ。
ターザンになった気がするぜ」とそそのかされたので、「ポカ ポカ キャン キャン」と戦って追い払うことができた。
しずちゃんにも着てもらうと、怖い怪獣がダンプカー、ものすごいジャングルが空き地の原っぱと、全部タネあかしをするので、のび太は気分が壊れると抗議している。しばらくすると、目の前に大金が落ちていた。
大喜びをしていると、ジャイアンがおれの落とした十円返せとやってきたので、二人は刀を振りかざした海賊に追われ、もうだめかと思うようなハラハラドキドキを体験することになった。
しずちゃんは汗をかいたので、オーバーを脱ごうとしたら、のび太には下着姿のしずちゃんが見えたので、顔を真っ赤にして、興奮しながら「ばかばかばかよしなさい。やめなさい道の真ん中で!」と喚いていた。
この作品の欄外では、オーバーを着たドラえもんがのび太から鉛筆を投げられると、ヤリがドラえもんの頭を貫通して、驚愕しているシーンが描かれている。
[S0557・A1301・057612]