よかん虫[★★]
[初出誌] 『よかん虫』、「小学五年生」1976年7月号、9頁、64コマ
[単行本] 『よかん虫』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第12巻」1976年12月25日 初版第1刷発行、9頁、68コマ
[大全集] 『よかん虫』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 5」2010年1月30日 初版第1刷発行、9頁、68コマ
【初出誌vs.大全集】
「ほう、女の子と?」コマ挿入[366(7)]
「お願いがあるんだけど」コマ挿入[367(2)]
「いいとも.なんでもいいなさい、はずかしがらないで」コマ挿入[367(3)]
「やめえ!やめえ!」コマ挿入[368(4)]
[梗概] 「ションボリ」したのび太はまぶたが「ピク ピク」動くので、いやなことの起こる前ぶれだと思った。のび太は昔からいう『虫の知らせ』だと強弁すると、ドラえもんからそんなことじゃないと強く否定された。
そして、ドラえもんから「ショボくれてちゃそれこそ不幸をよびよせているようなもんだ」と反論されている。しかし、ママから「すこしはおもてで遊びなさい」と叱られたので、予感があたり、ひとり静かに家の中で読書をすることにした。
今週の運勢を読んでいたら獅子座であるのび太はラッキーウィークであり、「金運にめぐまれ、勝負ごとも無敵の強さ。異性のお友だちととくになかよくなれますよ」と書かれていたので、ニコニコしながら出掛けようとすると、ドラえもんに会った。
のび太が「なにかいいことありそうな気がしてさ」と告げると、ドラえもんはひみつ道具『よかん虫』を取り出してくれた。のび太が何かいいこと起きそうな予感がすると考えると、この虫が「ブウン」と飛んできて頭にとまった。
ドラえもんから「とまるとそのよかんがほんとのできごとになるんだ!」と言われたので、いいことをできるだけ詳しく考えることにした。
「天からお金がふってくる!」と考えても、自分でも信じられない予感であるのでダメと言われてしまった。ジャイアンが不機嫌な顔してやってきたので、逃げようとすると、ドラえもんから「ついているときぐらいドーンとぶつかってみたらどうだ!」とけしかけられた。
今週の運勢にも、勝負ごとに負けないと出ており、そのうえ、頭の上の「よかん虫」も「ブルルン」と震えたので、勇気を奮ってジャイアンに近づくと、いきなり「ベチ」とビンタをくらってしまった。
ドラえもんから「自信!」を持てと、再度、鼓舞されたので、頭から、ジャイアンの背中に「ゴツン」と飛び込んでいった。すると、ジャイアンは「ギャピー いでで いでで」と絶叫して、のび太の一撃で逃げていってしまった。
次に、今週の運勢には異性の友人と仲良くなれると出ていたので、しずちゃんがすきすきっていいそうな予感がした。すると、しずちゃんがやってきて、先週号のガール・コミックを早く返してといわれた。
のび太はあの占いも先週であることに気づき、何かろくでもないことが起こる予感がした。すると、突然、ジャイアンに「さっきはよくもせなかのオデキをつぶしてくれたな」と凄まれて、「ボカスカ」殴られてしまった。
のび太は「だからうちで読書しているといったんだ」と悔やんでいた。のび太が帰り無事に帰れるか、例えば「どしゃぶりの夕立にあうとか」と考えると、「よかん虫」が「ブルルン」と唸りだし、本格的な土砂降りになり、ドラえもんは「ぼくをまきぞえにするのはやめてくれ!」と叫んでいる。
[S0552・A1205・057607]