ライター芝居[★★★]

[初出誌] 『シナリオライター』、「小学五年生」19755月号、8頁、55コマ

[単行本]  『ライター芝居』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第8巻」1975725日 初版第1刷発行、9頁、63コマ

[大全集] 『ライター芝居』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 420091230日 初版第1刷発行、9頁、63コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『シナリオライター』が『ライター芝居』に変更

 「なんだ、このセリフはて」が「なんだ、このセリフは!」に変更[381(7)]

 「わあ、ライターを消しちゃだめっ」 コマ挿入[387(9)]

  「シュボ」コマ挿入[388(1)]

 

「シナリオではけん銃で決闘することになってるんだ」、「かってに動くな」コマ挿入[388(2)]

「対決を前に、町はぶきみにしずまりかえる」コマ転置[388(3)]

「文字なし」コマ挿入[388(4)]

 

「文字なし」コマ挿入[388(5)]

「ハッ ハッ ハッ」コマ挿入[388(6)]

「文字なし」コマ挿入[383(2)]

「クル クル クル」、「ストッ」コマ挿入[383(3)]

 

[梗概] のび太は「ママが夜まででかけてると、心の底からのんびるできるんだ。一生けんめいのんびりしよう」と言いながら昼寝をしていた。

 

  ドラえもんがひみつ道具『シナリオライター』を「シュボ」と点火すると、シナリオ通り、のび太は「ムクリ クルッ ピョコ セッセ セッセ」と勉強を始め、貯金箱をもってどら焼きを買いにでかけようとした。かわいそうになったのでライターを「パチッ」と消した。

 

 「シナリオライター」にシナリオを入れると、書いてあるとおりに人物が動くので、のび太は自分を主役にして、西部劇みたいなシナリオを書いた。空き地に行くと、ジャイアンとスネ夫が動物実験だと言いながら、普通のイヌをダックスフントのように胴が長くなるよう、いやがるイヌをけんめいに引っ張っていた。

 

  しずちゃんが「種類がちがうから」と止めに入ろうとしていた。のび太が「やめろ」とジャイアンのしりを蹴飛ばすと、「なにしやがる」と言って、メリコミパンチを食らってしまった。

 

 ライターをつけるのを忘れていたので、ドラえもんが「シュボ」と点火すると、のび太は立ち上がり、「らんぼうすると、ゆるさぬ」とジャイアンに挑戦し、しずちゃんに「おじょうさんはなれててくだちいな。これからまっかな皿が…」と、まちがいだらけのシナリオ通りになった。

 

  再度、ライターに点火すると、町の平和を乱す無法者であるジャイアンとスネ夫と、あてもなく旅を続けるガンマンであるのび太が決闘することになっていた。対決を前に、町は不気味に静まりかえり、「サッ サツ」と無法者の手が腰の拳銃にのびる直前に、ガンマンの拳銃が「ババン」と火を噴いて、ふたりを瞬時に撃ち倒している。

 

 ガンマンはかっこよく「クル クル クル ストッ」と拳銃をホルスターにしまい、「これで、町は平和になるだろう。ぼくの役目は終わった」と告げると、女主人公であるしずちゃんが「どちらへいらっしゃるの」と尋ねるので、「さあ、これといってあてのない旅です」とかっこよくセリフを決めた。

 

しずちゃんがのび太に「待って」とすがりつこうとしたら、クルッと向きを変え、近くにいたイヌに「ギュッ」としがみつき、イヌといっしょに手を取り合ってさってゆくシーンが、のび太の目の前で展開された。

 

ドラえもんはもっと国語を勉強しろよと注意し、シナリオにのび太をのび犬と書いてあることにあ然として、開いた口がふさがらなかった。

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