百苦タイマー[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『百苦タイマー』は、「百分間に百の苦しみにあう機械」である。そのため、この機械は、「行」によって、わざと苦しい目にあって、自分の心を鍛えるものであり、一度動き出したら、誰にも絶対止められないものである。

 

【使用目的】 点検の邪魔になるからといってのび太は部屋の外に追い出されてしまった。その時、のび太はこっそりと用途の全く分からない「百苦タイマー」を持ち出した。

 

【使用結果】 「百苦タイマー」が「チーン」と鳴ると、ドラえもんとセワシが突然、「ボカ ボカ」とのび太を殴りだし、第一回目の苦しみとなった。のび太がバットでこのタイマーを「ガン ガン」なぐっても壊れることはなかった。

 

  二回目が近づいてきたので、ドラえもんとセワシは別の部屋へ、のび太もすみっこでじっとしていた。すると、「チーン」の合図とともに、額縁が頭の上に「ガーン」と落ちてきた。

 

 遠くへ逃げようとすると、ドラえもんから地球の果てまで逃げてもだめであり、その上、あとになるほど、ひどい苦しみが待っていると告げられた。外に出るとごきげんなジャイアンに会うことができたが、「チーン」となると、「きゅうにはらがたってきた」と怒り出し、「ボカ ボカ」と殴られてしまった。

 

 ドラえもんは「弱い人は、十回目ぐらいで死んじゃうこともあるんだよね。ロケットで宇宙へおくりだしてもだめか」と、セワシに嘆いていた。四回目の「チーン」がなると、工事の鉄骨が落下してのび太を直撃し、五回目では、ドカンに隠れていたのび太にタバコが投げ捨てられ、六回目には、自動車に「ドカン」と吹っ飛ばされている。

 

 安全な場所だと思って、しずちゃんの家に行くと、しずちゃんがお料理するため出刃包丁を手にしていた。なぜか、のび太を見ると、出刃包丁を持って追いかけてきた。のび太が「命ばかりはおたすけ」と唱えると、しずちゃんは「しつれいねっ。おかしなこといわないで」と、プリプリしながら帰って行った。

 

 五分たっても、十分たっても何も起こらないので、家に帰ってみると、ドラえもんから「セワシくんに、百年後の世界へもってってもらった。だから、七回目は百年たってからだよ」と知らせてもらうことができた。

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