ママをとりかえっこ[★★]

[初出誌] 『無題』、「小学五年生」19743月号、10頁、70コマ

[単行本]  『ママをとりかえっこ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第3巻」1974101日 初版第1刷発行、10頁、70コマ

[大全集] 『ママをとりかえっこ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 22009830日 初版第1刷発行、10頁、70コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『無題』が『ママをとりかえっこ』に変更

 

[梗概] のび太はママから「そんな悪い子は、うちの子じゃありません。どこへでも、行きなさい」と激怒され、しずちゃんも涙を流しながら、「子どもの気もちなんか、ちっとも、わかってくれないんだから」と訴えている。スネ夫は怒り心頭に発するような表情で、「ほんとにもう。ちかごろの親ときたら」と嘆いていた。


 三人とドラえもんが土管のある広場に集まって、のび太が「ああ、ぼくぐらい、不幸な子は、いないだろうな」と愚痴をこぼすと、しずちゃんは「あら、うちのママのことしらないから、そんなこと、いうのよ」と反論し、スネ夫に至っては、「いや! どんなひどいママでも、うちのおにばばにくらべれば」と拳をふるって訴えている。


 それを聞いていたドラえもんが突然、「しばらく、ママをとりかえっこしてみたら」と、みんなが「えつ?」と驚くような提案をしている。

 

 そして、ドラえもんは六枚の写真をシャッフルして、のび太としずちゃんのママ、しずちゃんとスネ夫のママ、スネ夫とのび太のママ、といった三つの組み合わせを作った。その組み合わせの写真をひみつ道具『家族合わせケース』に入れた。


 のび太が家に宿題のノートを取りに帰ると、ママからスネ夫は留守ですと言われてしまった。のび太がしずちゃんの家に入るのを恥ずかしがっていると、しずちゃんのママから、「なにしてるの、そんなとこで」と言われてしまった。

 

 のび太はしずちゃんのママから「さっき、どなったでしょ。ピアノのレッスンのことで。あなたの気もちもかんがえるべきだったわ。ごめんなさい」と謝られたので、のび太は「いいママじゃないか。しずちゃん、ぜいたくだぞ」と思った。


 しずちゃんもスネ夫のママから、「おこづかいあげます。さっきのことで、ママをきらいにならいでほしいざます」と穏やかに言われていた。一方、スネ夫ものび太のママから、「おやつなら、とだなにあるから、手をあらいなさい」と優しく言われ、のび太のいうことは大げさだと感じていた。

 

 のび太が遊ぼうとすると、人形ばかりで、使えるものは何もなかった。それで、自らすすんで廊下拭きをしていると、バケツを持ったドラえもんと「ドン」とぶつかって、びしょぬれになってしまった。

 

 しずちゃんのママが着替えを出そうとすると、女の子の服ばかりで、「どうしてうちに女の子の服が」と不審に思っていた。人間だけいれかえてもダメだということになり、急いで退散することにした。


 三人が往来で会うと、お互いに問題がなく、親だって人間だから、神さまとちがって、時には、八つ当たりすることもあるという結論になった。

 

 『家族合わせケース』から写真を抜き取り、のび太が家に帰ると、しずちゃんのママがきていて、のび太のママから「どうしてしずちゃんとこで、パンツなんか忘れてきたの」と問い詰められることになった。
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