イイナリキャップ[★★]
[初出誌] 『無題』、「小学五年生」1973年12月号、13頁、87コマ
[単行本] 『イイナリキャップ』、「てんとう虫コミックス ドラえもんプラス第5巻」2006年3月25日 初版第1刷発行、13頁、91コマ
[大全集] 『イイナリキャップ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 2」2009年8月30日 初版第1刷発行、13頁、91コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『イイナリキャップ』に変更
「そうとも、ううんとおこってやれ」が「そうとも、うーんとおこってやれ」に変更[459(8)]
「文字なし」コマ挿入[465(5)]
「なった」、「バターをぬれ」コマ挿入[465(8)]
「アーン」コマ挿入[466(2)]
「うちには今ないよ」削除[466(4)]
「ケチャップないかしら」、「今、切らしてるわ」コマ挿入[466(5)]
[梗概] ダンボール箱が捨ててあったので、開けて中を見ると、ジャイアンが飼っていた「ムク」が出てきた。ジャイアンのところへ持っていくと、あんまりいうことを聞かないので捨て、おまえ拾ったんだから責任を持てとまで言われてしまった。
ムクがいうことを聞くように、ひみつ道具である受信用の『イイナリキャップ』をかぶせて、訓練することになった。のび太がもうひとつのひみつ道具である送信用の「イイナリキャップ」をかぶり、ムクにいろいろな命令を下すと、その通りに動き、絶対さからえなくなる。このキャップをかぶると、犬でもしゃべることができるようになった。
ムクはドラえもんやのび太に、「あいつめ、ニャーゴとなけとか、へそおどりやれとか、むりばっかりいうんだもん。イヌにニャーゴなんていえるかってんだ! ふざけるな! ばかやろう!」と飼い主に似た荒っぽい言葉で抗議した。
ムクも「あいつが好きさ。子イヌのころから育てられたもんな。あのころはかわいがってくれたのに…、ウワーオ」と泣き出した。悪いのはジャイアンだと考え、ドラえもんに説教してもらうことになった。
「キャップ」の面白さのわかったのび太はもっとかわった動物、例えば、ライオンなどにかぶせたかった。広場には、なぜかライオンがいて、のび太を追い掛けてきた。「キャア」と叫んで、投げ捨てた受信用のキャップが偶然ライオンの頭にかぶさった。
すると、ライオンはみんなの前で、チンチンをしたり、レスリングものび太と一緒にすることができた。みんなは信用しないで、縫いぐるみだと言いながら家に帰ってしまった。
レスリングではずれたキャップがライオンと奪い合いになり、のび太が間違って拾ったキャップは受信用であった。立場が逆転し、ライオンに逆らえなくなってしまった。
家に帰っても、ママは眼鏡を拭いていたので、ライオンには気付かなかった。部屋では、お腹がすいているので、のび太は冷蔵庫からハムやソーセージをたくさん持ってきて、ライオンに食べてもらった。
量が少ないからかえって腹が減り、のび太を食べると言い出した。台所からバターを持ってこさせ、はだかになってバターをたっぷり塗るように言われた。食べようとすると、ライオンは大好物のケチャップをかけないと食えないことに気付いた。のび太はお店で大量のケチャップを買ってくることを命令された。
この受信用のキャップをかぶって、買い物から帰ろうとすると、ジャイアンにおもしろい帽子だちょっと貸せといって奪われてしまった。
ジャイアンが「だ、だれだおれをよぶのは」と言いながらのび太の家に行くと、玄関からライオンが「ウオー」とうなりながら飛び出し、「こっちのほうがうまそうだ」と言いながら食べようとした。そこへムクがライオンに飛びかかり、ドラえもんも『スモールライト』でライオンを小さくして、やっとつかまえることができた。
無責任なライオンの飼い主が現れ、育ちすぎたから捨てたのと言ったので、警官に逮捕された。ジャイアンはムクをおんぶしながら、「ごめんな、これから大事にするからな」と言いながら家路についた。
[S0248・B0507・057312]