ぼくを、ぼくの先生に[★★]
[初出誌] 『無題』、「小学五年生」1973年9月号、9頁、55コマ
[単行本] 『ぼくを、ぼくの先生に』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第3巻」1974年10月1日 初版第1刷発行、9頁、55コマ
[大全集] 『ぼくを、ぼくの先生に』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 2」2009年8月30日 初版第1刷発行、9頁、55コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『ぼくを、ぼくの先生に』に変更
「いくらぼくでも、中学生になっていれば、小学生五年生の勉強くらいみれるだろう」が「いくらぼくでも、中学生になっていれば、小学五年生の勉強くらいわかるだろう」に変更[425(3)]
「すっかり、古くなちゃって、建てなおせばいいのに」が「でも古くなちゃって。建てなおせばいいのに」に変更[425(7)]
[梗概] のび太に家庭教師をつけるため、パパはタバコを少し減らし、ママもセット回数を減らす相談をしていた。さらに、のび太も家庭教師のためこづかいを減らしなさいとまで言われてしまった。
しかし、のび太が「これからがんばるから。みてよ、二学期の成績を…」と強く主張したので、渋々納得してもらうことができた。のび太はドラえもんに、「勉強するから、じゃましないでくれ」と言いながら勉強部屋へ入った。
ドラえもんが決心を守ればたいしたもんだがと思って、十分ほどたって部屋に入ると、案の定いつものように足を組んで昼寝をしていた。
ドラえもんが「家庭教師をたのんだほうがよさそうだよ」とママに知らせようとすると、のび太は阻止するので、「じゃあ、いったいどうするつもりなんだよ」と尋ねている。しばらく、のび太は顔を真っ赤にして考えていたが、突然、ドラえもんもびっくりするような大声で、「そうだ!」と納得の手を打った。
その素晴らしいアイディアとは、タイムマシンで中学生のぼくを連れてきて、教わるというものである。そして、自分が自分に教えるからタダであり、そのうえ親切間違いないというものであった。
タイムマシンで三年前に行ったが、中学生のぼくが見つかりません。部屋ではパパとママが家庭教師の話をしていたところへ、のび太が顔を出したので、両親から、急にちぢんじゃったみたいで、まるで小学生じゃないかと言われてしまった。どうしても、見つからないので、置き手紙を書いて帰ることになった。
タイムマシンで家に帰ると、中学生のぼくがいて、「どこを遊びあるいてた!」と詰問された。事情を説明すると、中学生のぼくも、「ぼくも、勉強をみてやろうと思ってやってきたんだ」と話すので、小学生のぼくは「じゃあ、さっそく宿題をやってよ」と頼んだ。すると、「あまったれるんじゃない!」と叱りつけられてしまった。
中学生のぼくは「小学生のころ、しっかり勉強していれば、こんなことにならなかったんだぞ!」と言い、小学生のぼくは「これから毎日みにきてやるから、ばっちりやれよ」と言われてしまった。
中学生のぼくが「今からいっしょうけんめいやれば中学生になるころは…。クラスで二番ぐらいになるかもね、エヘヘヘヘ…」とほくそ笑んでいた。
小学生のぼくが机に向かって勉強していたら、突如、「ニュ ゴトン」という音がして、机の引き出しから高校生のぼくが出てきた。高校生のぼくは「中学までなまけると、高校生のおれがめいわくする。おれがみてやるから勉強しろ」といって中学生のぼくをタイムマシンで連れ帰ってしまった。
のび太は「どうもぼくは、いくつになってもだめみたいだね」と深く反省した。ドラえもんは「やれやれ」と言いながら勉強を始めたのび太を、「未来は、これから変えることができるんだ。あんなにならないように がんばれ!」と応援している。
[S0245・A0315・057309]