ハンディキャップ(ヘルメット型)[★★]
【道具解説】 ひみつ道具である『ハンディキャップ(ヘルメット型)』を使うと、周りの人の体力や知力などを、自分のレベルに合わせることができる。キャップのダイヤルで、自分のまわり五メートル四方から、最大限、日本中の人にまで影響を及ぼすことができる。
【使用目的】 のび太のパパはハンディキャップのおかげで、ゴルフ大会で優勝することができた。のび太がこの話をドラえもんにすると、「ハンディキャップ(ヘルメット型)」を出してくれた。
【使用結果】 のび太が「ハンディキャップ(ヘルメット型)」をもって出掛けるので、ドラえもんは「日本じゅうきみのレベルに落ちたら、この世のおわりだぞ!!」と大声で注意している。
のび太は「ただジャイアンと同じレベルで、けんかしたいだけだい」と思った。ドカンのある広場に行くと、ジャイアンは腕立て伏せを百回やり終えたところであった。二人がけんかを始めると、スネ夫は「なかなかやるじゃない。こりゃかんたんに勝負がつきそうもないぞ」と観戦していた。
のび太は「今、ジャイアンはぼくと同じ弱さになっている。でもつかれているぶんだけ、ジャイアンが不利だ」と心の中で思いながら、戦っていると、ほんとうにジャイアンをノックアウトすることになってしまった。
しずちゃんが逃げたカナリヤを追いかけていたので、のび太はキャップのダイヤルを回すと、カナリヤが「パタ パタ ノタ ノタ」と道路を歩き出したので、簡単につかまえて、かごの中へ入れることができた。
宿題が終わっていなかったので、しずちゃんに家に来てもらって、わかんないところを教えてもらうことになった。しずちゃんも「どうしたのかしら。ぜんぜんわからないわ」と言い出したので、出木杉に聞きに行くことになった。
出木杉も「ぼくも宿題にかかろうとしてたところなの」と歓迎してくれた。出木杉が考えても、「なにがなんだかわからなあい」とさじを投げてしまった。
しずちゃんが「宿題ができなかったら、あした先生に…」と心配しだしたので、のび太は先生の家に行くことにした。先生に宿題を見せると、「そんなかんたんな問題がわからんとは、授業中なにをきいていたんだ!! ……。わしにもわからん…」となって、今日の宿題はなかったことにすると言われた。
のび太は「みんな同じ力をもつことは、いいことだ。世の中公平でなくちゃ。思いきって日本じゅう…」と考えていた。
電子銃を持ったドラえもんは「ほ~ら、やっぱり!! そんなことさせてたまるか。かわいそうだが少しいたい目に…」と思っていると、のび太は「まてよ…!! 人にかぶせて、ぼくがそのレベルになるってのも、おもしろい」と考え、出木杉にかぶってもらうことにした。
のび太は「頭がスッキリさえてきたぞ。今まで気づかなかったこと、思いもつかなかった考えがつぎつぎに…。でも…。出木杉のおかげというのが、なさけないな…。ほんとに頭をよくしたいな。それには勉強するしかないか…。平凡な結論だけどね」となった。
のび太がこのキャップをドラえもんに返すと、ドラえもんは「いや! 一人でそこに気づいたのは、頭がよくなってきた証拠だよ」と答えている。
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