箱入り鏡[★★]
【道具解説】 ひみつ道具の『箱入り鏡』は、「かがみをみたことのない人間が、初めてかがみをみたらどうするか」を検証する、実験装置である。
【使用目的】 『もしもボックス』で鏡のない世界をつくり出すと、ジャイアンがタレントになると言い出した。せっかく鏡のない世界にしたけれども、のび太は初めて鏡をみたらどのように反応するか実験したくなったので、ドラえもんに「箱入り鏡」を出してもらっている。
【使用結果】 ジャイアンが「箱入り鏡」を見ると、「ウ~。ハハハ…。ゴリラみたいなひどい顔。おれの顔みてわらったな!! でてこいこのやろ!! ドタンバタン」となってしまった。
スネ夫が鏡を見ると、「ムカッ 見るからにずるそうな、感じの悪いやつ!!」、「でも、ゴリラよりキツネだろ」とジャイアンに話している。しずちゃんの場合、「うそお。かわいい女の子よ」となった。
見知らぬ人がやってきて、鏡をのぞき込むと、「十年前に家出した、ふたごの兄さんじゃないか。…、どうしてガラスのおりにとじ込められているんだ」と言いながら、この「箱入りかがみ」を交番に担いで運んでいる。
交番では、見知らぬ男がおまわりさんに「とじ込められているんです」と訴えると、「警官といっしょだ。きみ、見たことのない人だが、どこの署の者かね」、「きっと、にせ警官だ。そいつがゆうかい犯人です!」
「む、どうりで人相が悪い」、「むこうも、ピストルをぬいた」、「きさまていこうするか!?」となって、派手に「ドキュン ドキュン ガチャン ガチャン」とピストルの乱射になってしまった。
ドラえもんが大急ぎにもとの世界に戻すと、おまわりさんは「なんで、かがみなんかうったんだろう」、見知らぬ人も「なんで、かがみなんかはこんできたんだろう」と、まるでキツネにつままれたような表情であった。ドラえもんも「かがみがなくなっても、いいことなかったね」と、のび太ともども後悔していた。
[S19296・A27166・078103:284]