仙人らくらくコース [★★★]

[初出誌] 『仙人らくらくコース』、「小学四年生」19906月号、10頁、76コマ

[単行本]  『仙人らくらくコース』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第43巻」1992125日 初版第1刷発行、11頁、85コマ

[大全集] 『仙人らくらくコース』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 172012229日 初版第1刷発行、11頁、85コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「冷たいな。いいよ」、「仙人の修行向きの山へ!!」が「冷たいな………いいよ」、「仙人のむきの山へ!!」に変更[338(9)]

 「仙人食ヲ食ベサセヨウ」コマ挿入[342(8)]

「谷底ニタマッテオル」挿入[342(9)]

 

「オマエニハモットモットキビシイ修業ガ必要ラシイ」コマ挿入[343(5)]

「このままじゃ殺される」、「なんとしても逃げださなくちゃ」コマ挿入[344(1)]

「気づかれないようこっそりと……」、「ドウ ドウ」コマ挿入[344(2)]

「ワア!!」「ムク ムク」コマ挿入[344(3)]

 

「もう…だめ…」、「頭の中まっ白……」コマ挿入[344(4)]

「オヤッ、アレハナンジャ?」コマ挿入[344(8)]

「文字なし」コマ挿入[345(3)]

「グラグラ」コマ挿入[345(6)]

 

[梗概] のび太が先生から長いお説教を受け、ドカンのある広場に行くと、みんなは今度の連休で、スネ夫のいとこに連れて行ってもらうキャンプの相談をしていた。

 

  スネ夫やジャイアンには、「ばーか、身分を考えろ。宿題、いっぱいかかえているくせに」と言われ、出木杉からも「悪いこといわない。宿題のほうがキャンプよりだいじだよ」、しずちゃんからも出木杉と同じことを言われてしまった。

 

 家に帰ると、ママからも「こんなおそくまで、なにしてたの?」と怒鳴られてしまった。「あーあ、つくづくいやになった。あーあ、どこか遠い山の中でひとりでくらしたいな」とつぶやくと、『動物惑星』という本を読んでいたドラえもんは「仙人みたいにこといってる」と言われた。

 

 「センニン? なんだい、それ」となったので、ドラえもんはこんな絵をみたことないと言いながら、ひみつ道具『仙人らくらくコース』のケースを出している。そして、ドラえもんは仙人とは、「乱れた世の中をきらって山奥へこもり、修行をつんで神通力を身につけた人びとのこと」であると説明している。

 

 のび太から仙人のようになりたいと言われ、その上、ドラえもんが出した「らくらくコース」の件を問われると、はじめてよけいな物を出したと気づいた。

 

 「仙人になれる道具だろ」、「本物じゃないよ、ちょっぴり気分を味わうための…」と説明しても納得してくれないので、ひとりで「どこでもドア」を使って、仙人の修業むきの山へ出掛けてもらった。

 

 滝があって霞がかかっている山奥へやってきて、「らくらくコース」から、ビニール風船みたいな物に空気を「フースカ フースカ」入れると、仙人の家になった。仙人ロボットのスイッチを「カチ」と押した。

 

 「神通力教えて。ただし、めんどくさいことはきらいだから、てっとり早くね」と頼むと、「ガツン」と杖で殴られ、「先生ニムカッテ、ソノ口ノキキ方ハナンジャ!!」、「なにっ、ロボットのくせに、なまいきな!!」

 

 「ガシン ガシン ガシン」と殴られ、「よくもやったな!! かんべんしないぞ」、「雷雲、オコレ!! ピカ ゴロ ゴロ ビシャン」となって、「おそれいりました」となった。

 

 弟子になると、最初に、最も簡単な雲に乗る術を教わった。雲に乗っても「ズボ」と落ちるので、仙人から「無念無想ニナルノジャ。ツマリ、心ノ中ヲカラッポニ」、「そんなの簡単だい。からっぽ…。からっぽ…。…グウ」と寝てしまったので、カミナリを落とされた。

 

 「無念無想になるため座禅を組んでいると、ひるねのこと、おやつのこと みたい番組が雑念となって頭を駆け巡り、「どこでもドア」で帰ろうとすると、再度カミナリを落とされることになった。

 

 のび太が腹ぺこで修業どころでないと訴えると、仙人食を食べる修業になった。谷底にたまっているカスミを腹いっぱい「ス~」と食べたが、のび太は食べた気がまったくしなかった。

 

 仙人から「修業ヲツメバ、腹モフクレル。オマエニハモットモットキビシイ修業ガ必要ラシイ。タキ行ヲヤッテミル。アノ中ニ入ッテ、水ニ打タレルノジャ」、「こんなの、無理だよ。かんべんしてよ。ドウドウ」、「冷たいよ~。腹ぺこだよ~。頭がボーッとしてきた…。ドウ ドウ」

 

 「このままじゃ殺される。なんとしてもにげださなくちゃ。気づかれないようにこっそりと…。ドウ ドウ」と逃げだそうとすると、雷雲が「ムク ムク」と大きくなった。

 

 「もう…だめ…。頭の中まっ白…」、「オー。デキタデハナイカ。ソレデイイノダ。精神ヲ統一スレバ、デキナイコトハナイ。ダガ、心ガ乱レルト、タチマチ神通力ヲ失ウゾヨ」といわれている間、のび太は雲の上に乗って「ポー…」という状態であった。

 

 仙人が「オヤッアレハナンジャ?」と下界をながめると、みんながキャンプにきていて、空ののび太に気づいた。しずちゃんが「のび太さあん!!」と走って呼びかけてきたとき、バナナの皮を踏んで「ツルリ」と仰向けに転んでしまった。

 

 すると、しずちゃんの転んだ姿を見て、仙人は「ムハ!! グラ グラ ドーシャン」と大地に墜落してしまった。

 

 スネ夫は「どうして落っこちてきたんだろ」とみんなの気持ちを代弁していた。のび太は「やっと仙人からにげられた。ワ~イ!!」とひとり大喜びしていた。 

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