あなただけの物ガス[★★]
[初出誌] 『あなただけの物ガス』、「小学四年生」1989年12月号、10頁、78コマ
[単行本] 『あなただけの物ガス』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第42巻」1991年1月25日 初版第1刷発行、10頁、78コマ
[大全集] 『あなただけの物ガス』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 17」2012年2月29日 初版第1刷発行、10頁、78コマ
【初出誌vs.大全集】
「のび太さーん!!」が「のび太さあん!!」に変更[151(3)]
[梗概] のび太はスネ夫の食べ物の自慢話を、「はじめからきかないほうがいい。精神衛生によくないから」と避けていた。
ママはスネ夫のママから、「クッキングスクールともうしましても、高級おフランス料理専門の…。しゅみではじめたんざますけどね。先生がおどろいて「マダムホネカワは天才だ!」なーんて!! 昨夜腕だめしにフルコースに挑戦してみましたの。主人もスネ夫も一流レストランのシェフにも負けないと…」といった話をたっぷり聞かされた。
家では、ドラえもんがひみつ道具『食品視覚化ガス』を出して、どら焼きを堪能していた。このガスは食べ物の絵や写真にかけるだけで、目でみただけで食事ができるようにするものである。
ママが突然、「バタン」とドアを開けたので、のび太もドラえもんも思わず、「ご、ごめんなさい!! もうしませんから」と、なにもないのに条件反射のように謝ってしまった。ママから「今夜はおいしいフランス料理を作るから、きたいしてちょうだい」と、どういう風の吹き回しかわからなかったけれども。
五郎さんが「今月は遊びすぎちゃってアパート代はらったらお金が一円も…」となったので、なにか食べさせてもらおうとやってきた。のび太ががフランス料理大全集や中華料理本にこのガスを吹きかけた。
五郎さんは「海がめのスープ」、「フィレステーキ」、「ペキンダッグ」などを堪能して、「いやあ、これだけ食べれば、二、三日もつよ」といって大満足して帰っていた。
テレビにこのガスをかけると、「メロンスナック」、「ジャンボめん」、「まったけ茶づけ」などをおいしく味合うことができ、少しおなかがふくれてきてしまった。ママは「フォアグラとかトリュフといった材料がそろわないので、ありあわせの材料でできるフランス料理の作り方をさがすわ」とトーンダウンしていた。
しずちゃんが「たまにはめずらしいケーキを作ってみたいんだけど…。どれがおいしいかわからなくてまよっている」ので、このガスを「プシュ」とかけて味わってもらった。
ドカンのある広場では、ジャイアンが小さな子の絵本を見せてもらって、その本の中に出てくるお菓子の絵がとても気に入っていた。のび太も小さい頃よく空想していたので、こののガスをかけてみんなの夢を叶えることになった。
ママは「作り方しらべてるうちにおなかいっぱいになって…。もーうごくのもいや!」とグロッキー気味になっていた。のび太もドラえもんもゲップが出るほど食べすぎていた。会社から帰ったパパが「フランス料理は?」と尋ねてきたので、この本の好きなページを見てと頼んだ。
すると、パパは「たしかに味はいいけどねえ…。どうもなんだかもうひとつ…」と不満顔であった。
[S1716・A4205・048912]