やりすぎ!  のぞみ実現機 [★★]

[初出誌] 『のぞみ実現機』、「小学四年生」198910月号、10頁、70コマ

[単行本]  『やりすぎ! のぞみ実現機』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第42巻」1991125日 初版第1刷発行、10頁、70コマ

[大全集] 『やりすぎ! のぞみ実現機』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 172012229日 初版第1刷発行、10頁、70コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『のぞみ実現機』が『やりすぎ! のぞみ実現機』に変更

 

[梗概] スネ夫は「とつぜんサッポロラーメんが、食べたいといいだして…。思い立ったらすぐ実行するのが、うちの家族なんだ。さっそくジャンボジェットで北海道へ…。金曜日の夕方だよ。秋風は寒かったけど、あついあつい、バターラーメンのうまかったこと!! あのうまさはとても言葉ではあらわせないね」、ジャイアンは「ちきしょう、うらやましい」とよだれを垂らしていた。

 

 さらに、「土曜・日曜はレンタカーで気ままなドライブさ。秋の北海道もなかなかいいもんだよ。そして、日曜最終便で東京へ」と自慢話が続いた。のび太は「それどころじゃないよ」という心境であった。先生から、「もし、あしたのテストが五十点以下だったら、二度と学校へくるな!!」と厳命されていたからである。

 

 家に帰ると、玄関前でジャイアンがまっていて、「わかってるんだ。ドラえもんにたのんで、北海道へラーメン食べにいくんだろ。

 

  だからうらやましくないんだろ。おれもつれってくれ。いいだろたのむよ」、「ちがうんだよ。ぼくこれから勉強しなくちゃならないんだよ」、「自分ひとりでラーメン食べる気だな。ぎゃあ~! いいか、いくときはつれてけよ」となった。

 

 のび太が助けを求めて家に帰ると、ドラえもんはひみつ道具『のぞみ実現機』の前で、「きき目の調節がむずかしいんだよね。へたすると、とんでもなくオーバーな反応が…」と汗を垂らしてつぶやいていた。「今も「どら焼きはらいっぱい食べたい」と願ったけど、はたしてどんな形でかなうやら…」と心配していた。

 

 ドラミちゃんが「近所のおかしやさんがギネスブックにのろうと思って作ったの。作ったけど、あとでもてあましていたから、お兄ちゃんならよろこぶと思って」と巨大などら焼きを「デ~ン」ともってきてくれた。ドラえもんはもったいないからむりをして食べ、「くるしい…。動けない」と今にもパンクしそうなおなかを抱えて寝ていた。

 

 おもしろそうな機械なので、スタートボタンを押すと、「ネガイゴトハナニカ?」、「えーと…、そうだ。ジャイアンやっつけて」、「ドノテイドニヤッツケルカ、メーターデアラワセ」、「うんとひどい目にあわせてほしい」とお願いした。

 

 タケコプターで見にいくと、ジャイアンが気持ちよさそうにローラースケートをしていた。四つ角のところへくると、自動車にはねられそうになったので、「あぶない!!」、「ドン ブブウ」と突き飛ばしたので、幸いケガはなかった。

 

  ジャイアンから胸ぐらをつかまれ、「やい! なんでつきとばした」、「きみをたすけるために! ギャ~」となってしまった。

 

 「ヨロヨロ」して帰ってきたのび太を見て、ドラえもんは「そらみろ。だからやめとけといったのに」と今もパンクしそうなお腹を抱えて。のび太は「今のは調節がわるかったんだ。こんどはしんちょうにやってみる。サッポロラーメン食べたい。できれば、家族そろって北海道へ…」とお願いした。 

 

 早速、「リリリン リリリン」と、パパからママに「北海道支社へ転勤!? 私達も北海道へ引っこすの!?」という電話が入った。のび太は転校なんていやなので、もっとささやかな形で願いをかなえてもらうことにした。北海道転勤がとりやめになり、北海道のおばさんからサッポロラーメンの宅配便が届いた。

 

 最後に、あしたのテスト受けたくないんだとお願いした。「タイムテレビ」で確認すると、「マグニチュード九の大地震が関東地方をおそい…、ほとんどの建物がつぶれ、ぎせい者は何百万も…」という状況であった。

 

  「じょうだんじゃない。もっとささやかに、テストをうけなきゃそれでいい。レベルを最低にしたけどどうなるか…、心配だなあ…」と思いながら寝ることにした。

 

 翌朝、「のび太おきろ!! わあー、ちこくだちこくだ」と急いで登校すると、先生から、「ばかもん!! テストは、とっくにおわったぞ。ろうかに立ってろ!!」と命令されてしまった。

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