恐怖のディナーショー[★★★]
[初出誌] 『ジャイアンのディナーショー』、「小学四年生」1989年8月号、10頁、74コマ
[単行本] 『恐怖のディナーショー』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第41巻」1990年8月25日 初版第1刷発行、10頁、74コマ
[大全集] 『恐怖のディナーショー』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 17」2012年2月29日 初版第1刷発行、10頁、74コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『ジャイアンのディナーショー』が『恐怖のディナーショー』に変更
[梗概] ジャイアンが「剛田武ファンクラブの会長さんいますか」とやってきて、「ジャイアンディナーショウ」のポスターをドラえもんとのび太に見せた。「おれの歌をたっぷりきかせるのはもちろんだが、おれの特製料理を食べながらという二重のお楽しみ」と説明し出した。
そして、「チケットは百枚用意した。これを売ってくれ。たりなければ、追加公演もしてもいいぞ」と言って帰っていった。
スネ夫の家にチケットを売りに行くと、「ほーらきた!! だめだめ、これから海外旅行だから」、「いつものコンサートとちがって食事がつくんだよ」、「だから、なおさら悪いんだい!!」、「お願い、たすけると思って!!」
「命にかかわる。ことわる!!」、「今のことば、ジャイアンにいってやろ!!」、「いいとも!! 歌よりげんこつのほうがましだい!!」、「やけくそになってる。だめだ、こりゃ」となってしまった。
しずちゃんからは「信じられない…。のび太さんがあたしにそんなものを…。いいわ。これも運命だとあきらめて一枚買う」、「もう、いいよ。このことはわすれて」といって別れた。ドラえもんにあって、三十軒回って、まだ一枚も売れていないと報告した。
ひとり残っていた出木杉くんになんとか一枚売ることができた。出木杉から、「かれの歌を止めることができるとすれば…、台風でもくるとか、かれの母さんがどなりつけるとか…」といった忠告をもらうことができた。
早速、かあちゃんにいいつけてもらおうと思って、ジャイアンの家に行くと、「モワ~」とぶきみなにおいがただよってきた。手ぬぐいで顔をおおったジャイ子が出てきて、かあちゃんは父ちゃんといっしょに町内の慰安旅行で温泉に出かけていると知らせてくれた。
最後の手段として、ひみつ道具『お天気ボックス』の台風カードを使って、台風をドンドン成長させ、五時頃には、この町内を風速五十メートルの暴風があれくるううように準備した。
台風の件を知らせようと、ジャイアンの家に急ぐと、ジャイ子は「もー、たまんない!!」と家を飛び出し、ムクも「ヨロ…」して、道路で「バタ」と倒れてしまった。台風の話をしても、「なに? 台風? ガハハハ 安心しろ。おれの声は風なんかに負けやしない」とあくまでも強気の態度を崩さなかった。
ドカンのある広場に、ドラえもん、のび太、出木杉が集まり、ドラえもんは「やるだけのことはやった。こうなったらかくごをきめて、歌をきこうじゃないか」、そして、ひみつ道具『耳せん、お医者さんごっこかばん、赤まむしドリンク、成田さんのお札』を準備していた。
しばらくして、ジャイ子が「ジャイアンが自分の料理を味見したら、ひっくりかえった」と連絡してくれた。三人は「ばんざい!!」を叫びながら、涙を流すことになった。
[S1712・A4114・048908]