人間貯金箱製造機[★★]

[初出誌] 『人間貯金箱製造機』、「小学四年生」19894月号、10頁、79コマ

[単行本]  『人間貯金箱製造機』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第40巻」1990125日 初版第1刷発行、10頁、79コマ

[大全集] 『人間貯金箱製造機』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 172012229日 初版第1刷発行、10頁、79コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

[梗概] スネ夫が「タ・タ・タ…」と駈けながら、「新しいゲームソフトの発売日」であると告げるので、のび太も「タ・タ・タ…」と走って家に帰り、貯金箱を探し出した。

 

 ドラえもんは今年の正月、のび太がたくさんもらったお年玉の前で、あっというまになくなっちゃうと嘆くので、ひみつ道具『二十一世紀の貯金箱』を出している。

 

  最初は「パズル貯金箱」であり、ブロックをはずす順番を、一つでもまちがえると、くずれない。くずれないと、お金がでないというものであった。

 

  二番目は「さいみん貯金箱」であり、開けようとすると、貯金箱の手が「グル グル」周り、催眠にかかってしまうものである。

 

  第三番目は「番犬貯金箱」で、お金を取ろうとすると番犬がかみつくものである。

 

 ついに貯金箱を開ける時がきたので、ドラえもんが「万能オープナー開けゴマ!!」を使うと、パカッとみんな開いたけれども、一円も残っていなかった。よく考えてみると、のび太はジュースがどうしても飲みたかったので、「パズル貯金箱」をいじっていたら,とけてしまったことに気づいた。

 

  「さいみん貯金箱」では、鏡に映して、貯金箱を催眠にかけることができた。「番犬貯金箱」では、満身創痍になる激しい戦いの末に開けることができた。

 

 のび太が「ぼくはだめなやつだ。一生財産なんかできないんだ」と畳を叩いて反省しているので、ドラえもんはひみつ道具『人間貯金箱製造機』を取り出し、「タイムマシン」に乗ってお年玉のお金を使う前に行って、全額を出した。

 

  貯金箱はまだできていなかったので。暗証番号をセットし、のび太の一番怖いママを貯金箱にしている。「人間貯金箱製造機」から「ピピピ…」と電波を発すると、ママは「カチーン」となって貯金箱になったので、五分の間にママの口からお金をいれることになった。この暗証番号「4444」はのび太に知らされなかった。

 

 「暗証番号を言わないと、お金は出てこない。ぜったいにむだづかいできない貯金箱だね」と確信しながら、「タイムマシン」で帰ってきた。「貯金がどっさりあるっていい気分だろ。さっそくだけど、貯金をおろしたい。よろしい。おろしてあげよう」と言うことになった。

 

 ドラえもんが「4444」の暗唱番号を言っても、ママの口からは一円もでてこなかった。のび太が「話がちがうぞ!!」と喚きちらすので、ドラえもんは「タイムテレビ」で調べることにした。貯金して一日後も、その後も特別変わったことがなかった。

 

しかし、十日後に、野良猫のクロがお魚を奪って逃げるので、ママは「どろぼうネコ!! シツシツシツシツ」と叫ぶと、「カチーン」と口が開いてお金が飛び出し、ママは「あらっ、こんなにへそくりしてたかしら。うれしい!!」となった。

 

この映像を見て、のび太は「よけいな貯金をさせるからだ!!」、ドラえもんは「どうせ、むだづかいで消えちゃうお金だよ!!」と取っ組み合いのけんかをすることになった。

[S1708A4016048904]