タイムワープリール [★★]

[初出誌] 『タイムワープリール』、「小学四年生」198512月号、10頁、77コマ

[単行本]  タイムワープリール』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第45巻」1996525日 初版第1刷発行、10頁、77コマ

[大全集] 『タイムワープリール』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 152011927日 初版第1刷発行、10頁、77コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「何いってんだい!」が「なにいってん」に変更・校正ミス[367(3)]

 

[梗概] もう今夜がクリスマスイブだというのに、パパはクリスマスプレゼントをどうしても教えてくれません。

 

  のび太「夜中にサンタがくるのを待ちなさいって…」、ドラえもん「メルヘンだねえ」、「ほしいものたのんどいても、毎年期待をうらぎられるんだよね。今年ははたして…。ああ、心配だなあ」、「そうやって待ってるのも、楽しみのうちじゃないか」となった。

 

 のび太は「時のたつのをわすれさせてくれるのは、しずちゃんだけだ」と思い、しずちゃんお家に行くと留守であったが、もどるまで待つことになった。

 

  のび太が「ソワソワ」しだし、「こういうむだな時間は、大きらいだ」というので、ドラえもんはひみつ道具『タイムワープリール』を出している。この道具は、時間をすっとばす、つまり、ある時間から先の時間へと飛ぶことを可能にするものである。

 

 ドラえもんがこの道具を「カリ カリ カリ」と回して、二、三十分ワープさせると、しずちゃんの帰ったところへワープして、楽しく話をすることができた。しずちゃんのところから帰る時、「むだな時間をはぶくと気分いいな」と考えながら、この道具を「カリ」と回すと、「もう家についた。こりゃ楽でいいや」となった。

 

 大好きなテレビ番組『ピーマン』を見ようとしたら、前の番組をやっていたので、「カリ カリ」と回すとおもしろく「ピーマン」を見ることができた。しかし、ドラえもんから「むやみに使うな! ワープした時間は二度とかえらないんだぞ」と注意された。

 

  「いいもん」と言いながら夜中にワープした。あっという間に夜になり、しかも、パジャマを着てフトンに入っていた。つまり、夕食を取り、ひとねむりしたところへワープしたことになった。

 

 目の前には、クリスマスプレゼントがあり、九人の偉人伝という、いつもと同じようにとてもためになるプレゼントであった。のび太は「来る年も来る年も…、期待はずれのままで年をとっていくのかな…」と涙をこぼしていた。

 

  来年のプレゼントがなにになるかが気になりだしたので、この道具のレベルを分単位から年単位に上げて、「カリッ」と回すと、「ペン習字手本」であった。「たまにはためにならないプレゼントがほしいなあ。

 

  もう一年先のをみよう」ということになった。「ひるねばかりしていないでなわとびでもして体をきたえなさい サンタ」という、ためになるプレゼントであった。

 

 のび太はずっと先のをみてみようと、「カリ カリ カリ」と何度も回してみた。「やった!! こんなのほしかったんだ」と喜んでいると、ノビスケが「ワーイ、ほしかったロボペット!」、のび太パパ「何いってんだい! ぼくんだい!!」

 

  しずちゃんママ「あなた! ノビスケのために買ってきたんじゃないの!!」、「ワ・ワ・ワ… 大人になってる!! しずちゃんも大人… 子どもまでできてる!! 大人になっちゃ、もうプレゼントももらえない。毎日ひるねして、遊びくらすこともできない」となってしまった。                         

          

 のび太パパは「ワープした時間は二度とかえらない」と言われていた。しかし、きっとドラえもんがタイムマシンで助けにきてくれると思った。

 

 「しかし…。まてよ…。タイムマシンでもどったら、こっちの世界のぼくはいなくなる! もとの世界のぼくが、とつぜん大人になる!! ワア~ どうしたらいいんだ!!」と大騒ぎしていたら、「タイムワープリール」が「プルル… ギ・ギガ・ガ ガ… パカ」となった。

 

 ドラえもんは目の前ののび太に、「それはきっとむちゃな使いかたしたからこわれちゃって…」と説明している。

 

 のび太は「もとにもどったわけ!? ワーイ、ばんざい!!」と大喜びしているところへ、しずちゃんが「お待たせしてごめんなさい」と帰ってきた。のび太は「いやいや、もっとずーっとまってもよかったんだよ」と鷹揚に対応していた。

[S1545A4508048512]