上げ下げくり [★★]

[初出誌] 『上げ下げくり』、「小学四年生」19853月号、10頁、72コマ

[単行本]  上げ下げくり』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第43巻」1992125日 初版第1刷発行、11頁、81コマ

[大全集] 『上げ下げくり』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 142011429日 初版第1刷発行、11頁、81コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「「上げ下げくり」はあまくないぞ!!「明日」こそなにがなんでも宿題出させられるぞ!!」コマ挿入[428(5)]

「もう二度と、ぜーったいに助けないからな!!」が「泣いてもわめいてももう二度と、ぜーったいに助けないからな!!」に変更[428(6)]

 

 「文字なし」コマ挿入[429(2)]

「どうぞ」コマ挿入[430(1)]

「ポト」コマ挿入[430(4)]

「ワン」、「ムク ムク」コマ挿入[430(5)]

 

「ワン ワン」、「あらっ、イヌの声?……」コマ挿入[430(6)]

「さては……」「また!!」コマ挿入[430(7)]

「お庭にボールがとびこんできたわ」コマ削除[122(1)]

「バアン」コマ挿入[430(9)]

 

「ガブリ」、「ゴン」コマ挿入[431(1)]

「ゴチン」コマ削除[122(3)]

「ワン ワン ワン」コマ削除[122(4)]

「ま、待って!!行かないでぼくが買ってきますから」コマ挿入[432(3)]

 

「子どもがタバコ買っちゃいかん!!」コマ挿入[432(4)]

「ニヤリ」コマ挿入[432(6)]

「明日はどうしても、出さなきゃいけないもんね」が「明日はどーしても出さなきゃいけないもんね」に変更[434(3)]

 

[梗概] ドラえもん「おきろ! 学校におくれるぞ!!」、のび太「おくれてもいい!! ほんとは休みたいんだよ」、「宿題ができてないから? いつものことじゃない」

 

  「いつものことだから、まずいんだよ~。こんどわすれてきたらぜったいにゆるさん! と先生がいうんだよ。だから、きのうこそなにがなんでもやるつもりだったのに…。つい遊んじゃって…。あと一日!! もう一日あれば…。きっときっと宿題ができたのに…」

 

  「ほんと? あと一日あれば、きっとやる!?」、「やるとも!! でも、もうのばせない。学校を休む~」といったいつもの会話が続いた。

 

 ドラえもんはひみつ道具『上げ下げくり』を出して、「宿題のしめきり一日くり下げ!!」と命じたので、学校では宿題を集めるのがあすになった。予定をくり上げたり、くり下げたりする機械のすばらしさに感動したのび太は「かえすの一日くり下げ」と宣言して借りたので、ドラえもんは話の先を読むことができた。

 

 ドラえもんは「一日遊びあるいて、あすになったらもう一日くり下げろというんだ! そうはいかないからな! 同じ予定は二度と動かせないのだ。ないてもわめいてももう二度と、ぜーーーったいに助けないからな!!」と決心していた。

 

 のび太はイヌにかまれたり、ボールがぶつかるのを一日くり下げた。実験のため、しずちゃんの家に行って、部屋の中で、「ボールとイヌのくり下げを取りけし!!」と命じた。

 

  すると、しずちゃんのベッドから「ムク ムク ワン ワン」とイヌが現れてガブリと足をかまれ、しずちゃんのママが廊下でツルリと滑り、手に持ったボールが「ゴン」とのび太の頭を直撃した。

 

  しずちゃんが拾ってきた野良犬をベッドに隠していたためでもあった。のび太は「けっきょく、運命からにげらげられないってことか」と考えたが、もう一度だけ実験してみることにした。

 

 ジャイアンの頭にボールをぶつけ、十五分くり下げた。ジャイアンがついてきたが、のび太は先生に宿題のわからないところを聞きに来た。宿題を教わっているときは殴られないと確信していた。

 

  しかし、先生がちょっとタバコを買いに行くと席を外そうとしたので、のび太が「ぼくが買ってきますから」と口出すと、「こどもがタバコを買っちゃいかん!!」と制止、その間にジャイアンからなぐっれてしまった。

 

 ドラえもんがいやなことを先にのばしても一時しのぎにすぎない。さ、それをかえしなさい」と催促しても、「一日くり下げたんだもんね」と主張し、ママには「来月ぶんの小づかい一ヶ月くり上げ」を要求し、テレビで『宇宙戦士ジュゲム』をみたらおもしろかったので、さらに二週間分の「ジュゲム」をくり上げてみてしまった。

 

 夜になると、「宿題一つもやってないだろ」、「やってないよ」、「あすはどうしても、ださなきゃいけないもんね」、「わかってますよ。あすがくるのを一日くり下げ」と宣言し、「きょうがもう一度くるんだ。こんどこそ宿題をやろう」と寝てしまった。ドラえもんは「こんなのありかなあ…」と腕を組んで困惑しきっていた。

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