スネ夫は理想のお兄さん [★★]

[初出誌] 『イメージライト』、「小学四年生」19849月号、10頁、67コマ

[単行本]  『スネ夫は理想のお兄さん』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第40巻」1990125日 初版第1刷発行、11頁、77コマ

[大全集] 『スネ夫は理想のお兄さん』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 142011429日 初版第1刷発行、11頁、77コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『イメージライト』が『スネ夫は理想のお兄さん』に変更

 「ああらスネツグちゃん」が「あーら、スネツグちゃん!」に変更[362(3)]

 「それで?」、「相談というのは?」「NNN」コマ挿入[364(1)]

「ぼくはその……、手紙でニューヨークのあの子に…」コマ挿入[364(2)]

 

「ニューヨークがどうした?」、「なにかまずいことでも」、「NNN」コマ挿入[364(3)]

「だからぼくらにあわせたがらなかったのか!!」コマ挿入[365(3)]

「話がくいちがうとこまるから」「NNN」コマ挿入[365(4)]

 

「ぼくは弟のイメージをこわしたくないんだ!!いつまでも理想の兄きでいてやりたいんだ」コマ挿入[365(6)]

「つまりさ………」が「だからさ……」に変更[365(8)]

「なんのためにあんなものを?」、「NNN」コマ挿入[368(3)]

 

「あの…ママはるすだと思うんですが……」コマ挿入[368(5)]

「ああら、先生」が「あーら先生」に変更[368(6)]

「わあー……、最悪」挿入[368(8)]

 

「いったいどうして?……」、「勉強だけじゃなくけんかも強いんだってね」コマ挿入[369(5)]

「ひょっとしてぼくは」、「自分で思ってたよりずっと、すばらしい少年だったのかも……」コマ挿入[370(1)]

 

[梗概]  いつかどこかで見た覚えのある男の子がドラえもんとのび太に英語で話し掛けてきた。

 

  しずちゃんが「ああら、スネツグちゃん!」と呼び掛けるので、のび太とドラえもんは「そうか! スネ夫の弟だよ!!」となり、「たしか、ニューヨークにすんでるおじさんに子どもがなくて、何年も前養子にもらわれていったスネツグくん。ずいぶん大きくなったなあ」と感心していた。

 

 スネツグから「なんでぼくひとりで外へでちゃいけないの」、スネ夫は「だってさ、アメリカからきたばっかりでなれてないから…。もうしばらくまちなさい。お兄ちゃんのいうとおりにしろ!!」と命じていたが、そうはならなくて外出に成功した結果であった。

 

 そのスネ夫がドラえもんに相談にやってきた。スネ夫は「うちも金持ちだけどあいつには負けるなあ。庭にはプールやテニスコートがあって…。週末にはカナダの別荘へ自家飛行機で…」と「ペラ ペラ」しゃべりまくった。「またわるいくせがでた…。ごめん! このくせのおかげでこまったことになっちゃって…」と語り出した。

 

 弟と手紙をやりとりしているうちに、「かっこいいこと書いてるうちにだんだん話がふくらんで、学校の成績はトップ、スポーツは万能! 町じゅうの人気者、女の子のあこがれのまと、らんぼう者のジャイアンも、ぼくには頭があがらない。

 

  それで…、ぼくのこと世界一すばらしい兄きだと、信じこんでいるんだよ」と話した。本物とイメージがあまりにもちがいすぎるため、ぼくらにあわせたがらなかった。

 

 スネ夫は「ほんとのことしったら、スネツグはがっかりして…、ぼくのことけいべつすると思うんだ。ぼくは弟のイメージをこわしたくないんだ!! いつでも理想の兄きでいてやりたいんだ。おねがいだ、弟がいる間だけでも、それらしくしてくれないかな」というのが相談の骨子であった。

 

「ぼくのことあこがれの目でみるとか、ぼくのいうことなんでもきくとか、天才とかなんとかほめちぎるとか…」という身勝手なものであった。「よくもそんなずうずうしい!!」と断ると、「友情のかけらもないのか! ほかのみんなにたのもう」と帰っていった。

 

 「タイムテレビ」で確認すると、しずちゃんからは「そんなおしばい自信ないわ」、出木杉からは「ごまかしはよくないと思うな」、ジャイアンからは「おれがおまえにペコペコしろだと!?」と怒鳴られて、追い掛けられることになった。

 

  先生からは「きみの家へいくところなんだ。近ごろどうもきみの成績がさがってきてる。一度ご両親と話し合いたいと思ってね」と言われていた。

 

 スネツグが「今夜うちでぼくの歓迎パーティーをひらくからきてください」とやってきた。のび太が「スネツグくん。きみ兄さん好き?」と尋ねると、「大好き! そんけいしてる。ぼくも兄さんに負けない、りっぱな少年になるの」と本気で信じているのでかわいそうになってきた。

 

  ドラえもんはひみつ道具『イメージライトキャップ』を出し、日本にいる間だけスネツグにこれをかぶってもらっている。

 

 このライトで照らされた人はかぶってる人のイメージどおりに行動するものである。先生が路上でスネ夫のママに話し掛けようとした時、スネツグがキャップをかぶって現れた。

 

  すると、先生は「ますます成績があがっておりまして、今すぐ東大を受験しても合格うたがいなし!!」と激励してくれた。ジャイアンが現れると、両手を合わせて、スネ夫に「かんべんしてくれ」と謝り、女の子からは「キャー。スネ夫さんすてき!」とモテモテだった。

 

 スネ夫は「ひょっとしてぼくは、自分で思ってたよりずっとすばらしい少年だったのかも…」という気になってきた。スネツグを帰らせると、女の子から「なぜすてきなんて、いったのかしら。いやあね」、ジャイアンからは「さっきはよくも…」と蹴り飛ばされてしまった。

 

  ドラえもんやのび太から「きみはスネツグの前でだけ。いいかっこできるんだよ」と知らされた。「タイムテレビ」を見ると、スネ夫はスネツグに「ねえ、アメリカへ帰らないでずっと日本にいないか」と説得していた。

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