酒の泳ぐ川[★★]

[初出誌] 『サイラン液でサケをもどそう』、「小学四年生」19842月号、10頁、66コマ

[単行本]  『酒の泳ぐ川』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第36巻」1986425日 初版第1刷発行、10頁、66コマ

[大全集] 『酒の泳ぐ川』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 132011430日 初版第1刷発行、10頁、66コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『サイラン液でサケをもどそう』が『酒の泳ぐ川』に変更

 

[梗概] のび太のパパは社長さんからもらった高いお酒を、毎晩「チビ チビ」と楽しみながら飲んでいた。のび太はパパにはほかに楽しみがあまりないから、好きな酒ぐらいたっぷり飲ませてあげたいと思った。ドラえもんに相談すると、酒を増やすことなんかわけないよと言いながら、ひみつ道具『サイラン液』を取り出した。

 

 ドラえもんの話を聞いていると、酒ではなく、魚のサケと勘違いしていることがわかった。のび太はパパにたっぷりお酒が飲めると約束していたので、とても大きなショックを受けた。

 

 ドラえもんは「サイラン液」をお酒のビンに「ポト」と垂らし、さらに、新しく『コジツケール』というひみつ道具をお酒のビンに垂らした。しばらくすると、酒のタマゴが産まれ、孵って「チョコ チョコ」泳ぎだした。

 

 早速、「はるばる川を下って、遠い海で大きく育って帰ってくるんだよ」と言いながら、川に流した。すると、三日ほどでサケが川に帰ってくるから、みんなで釣りに出かけた。

 

 おつまみのピーナッツをえさに釣っていたが、全然釣れないので、ドラえもんが水中に飛び込んで,調べてみたが、酒ビンは一本も泳いでいないことがわかった。みんなはだまされたと思って、「カン カン」になって帰っていった。

 

 家でテレビを見ていると、「東京湾で酒ビンのような形をした魚が発見されました」といったニュースが流れた。「サケにはもとの川に戻ってくる本能があるにもかかわらず、上ってこないのは水がきたないことによるものだという結論になった。

 

 ドラえもんはひみつ道具『ウォータークリーンシップ』を取り出し、川や湖の水をきれいにすることにした。

 

 サケがきてくれるか心配であったが、川下が波立って…だんだん近づいてくるのを二人はしっかり確認することができた。たくさんのサケが元気で帰ってきた。

 

 大量のサケを捕獲したので、ドラえもんとのび太は「タケコプター」に乗りながら、「みんな川をきれいにしようね。サケの住めるきれいな川に」と、下を歩いているジャイアン、スネ夫、しずちゃんに積極的に呼び掛けていた。

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