ま夜中に山びこ山が![★★]

[初出誌] 『山びこ山』、「小学四年生」19841月号、10頁、66コマ

[単行本]  『ま夜中に山びこ山が!』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第35巻」1986125日 初版第1刷発行、10頁、66コマ

[大全集] 『ま夜中に山びこ山が!』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 132011430日 初版第1刷発行、10頁、66コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『山びこ山』が『ま夜中に山びこ山が!』に変更

 

[梗概] のび太が学校から帰ると、ママから「宿題は? おわるまで遊んじゃいけませんよ!!」と怒鳴られたので、「あんないい方されるとムッとするんだよな!! やる気なくなっちゃうよ。ドラえもんもるすだし、ただちにひるねを始める!!」と宣言していた。

 

 昼寝をしていると、突然、「宿題やれ!! なまけていてはりっぱな人になれえないぞ。さがしたってむだだ」とドラえもんの声がどこからともなく聞こえてきた。気持ちが悪くなったので、勉強を始めると、ドラえもんが「タイミングピッタリだったろ」といって外から帰ってきた。

 

 ドラえもんがひみつ道具『山びこ山』をセットしていたためであった。この道具の調整時間は二十四時間であり、夜「起きろ」とセットすると、あすの朝の目覚ましになるというものである。

 

 遊びに行こうとすると、ママから宿題と言われたので、音のかえる時間を五分後「さあ遊びにいこうっと!!」、十分後「遊びにいってきまあす!!」、十五分後「遊びにいくからね~!!」にセットした。これを三回繰り返すと、ママは「つかれたのかしら…」と言いながら、熱が出たといって寝込んでしまった。

 

 ドカンのある広場にこの道具をもっていくと、スネ夫は「アリバイづくりにいいね」、しずちゃんは「面とむかっていいにくいことでも、これを使えば…」と喜び、スネ夫の提案により、「ジャイアンの悪口いいたいだけいってさ、今夜あいつの窓の外へ…」となった。

 

 スネ夫は「ジャイアンの大バカヤロ」、ドラえもんは「オンチゴリラ」、のび太は「よくばりのいやしんぼのいばり屋の…」と叫んでいると、ジャイアンが「よお、悪口コンクールか。おれも入れてくれ」と駆け込んできた。

 

 ドラえもんが取り消しボタンを押しといたので、事なきを得たが、ジャイアンがここへきたのは近ぢかひらくリサイタルのリハーサルのためであった。ジャイアンが四人の目の前で「ボゲ~」と歌い出し、「台風があれくるうような恐怖の三時間がすぎた。

 

 もっとききたいだろうが、あとは本番のお楽しみ…」とあいさつするとアッという間にみんな帰ってしまった。山のおき物だけが残っていたので、それを持って家に帰ることにした。

 

 ジャイアンが真夜中「フンガ~」と寝ていたら、突然、「ボゲ~」の声が聞こえたので、「だれだ!! 夜中にへたくそな歌を…。おれの声だ」とわかり、この道具を外に持ち出した。窓の外にこの声が聞こえたので、ドラえもんとのび太は「三時間うたったから、三時間山びこはつづくね」と確認し合っていた。

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