落とし物つりぼり [★★]

[初出誌] 『おとし物つり堀とつりざお』、「小学四年生」19822月号、10頁、70コマ

[単行本]  『落し物つりぼり』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第32巻」1985125日 初版第1刷発行、10頁、70コマ

[大全集] 『落し物つりぼり』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1120101130日 初版第1刷発行、10頁、70コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『おとし物つり堀とつりざお』が『落し物つりぼり』に変更

 

[梗概] のび太ひとり、靴、空き缶、ヤカンといったガラクタばかり釣り上げるので、ジャイアンやスネ夫に「ワハハ アハハハ ウヒヒ ウヒヒ ゲラ ゲラ」と笑われてしまった。のび太は「つりなんてひきょうな遊びはきらいなんだ。むじゃきな魚をエサでだまして釣り上げるなんて」と、腹を立てながら家に帰ってきた。

 

 家ではママがバケツがないと騒いでいた。のび太は釣りにもっていったことを思い出したが、ドラえもんに「とりにもどってるひまがないよ」と訴えると、ひみつ道具『落とし物つりぼりとつりざお』を出してくれた。

 

 場所が学校うらの小川であったので、ドラえもんはつりぼりにつりざおをたらしてバケツを探させた。つりぼりは四次元スクリーンであり、まもなくバケツがかかったが、それはジャイアンのバケツであったので、いそいで元に戻している。

 

 ドラえもんはバケツの特徴をできるだけ詳しく聞き出しながら、再度チャレンジしている。魚を釣っているジャイアンとスネ夫のところへ、「スウ」とつりざおの針が降りてきて、バケツを釣り上げて消えたので、二人は「オバケ!!」と叫んで家に帰って行ってしまった。

 

 のび太はきのう落とした「ジラフの二色ボールペン、キャップにきずがついてる。場所は学校と家のあいだのどこか」とくわしく情報をインプットして、おもむろに釣り出した。「ピク ピク ググッ グイ グイ」とものすごい力で引っ張るので、ドラえもんと二人で釣りあげることに成功した。

 

 そのボールペンはだれかのズボンのポケットに入っていた。その頃、ジャイアンは「だれだっ。ズボンをぬがせやがったのは!」と怒りまくっていた。

 

 のび太は去年この町で落とした十円玉を大量に釣り上げることができた。町中に落ちていた十円玉を拾い集めたので、ドラえもんはのび太の分だけを残して、交番にとどけてしまった。のび太は「町中の落とし物をつりあげよう。

 

 交番へとどければ落とし主はよろこぶし、お礼がもらえるかも」と考えて、しずちゃんの家にこの道具をもっていって、落とし物を釣り上げることにした。

 

 スネ夫もきていたので、二人の前で釣りを始めると、古ぐつとか穴の開いたやかんとか空き缶ばかり釣り上げるので、「キャハハ ハハハ」と笑いものになってしまった。のび太がからだを乗り出してのぞき込んだため、つりぼりに「ドボン」と落ち、ゴミ置き場に落下してしまった。

 

 のび太はつりざおの針がゴミ置き場のソファーに引っかかっていたので、はずすと「ググッ」と釣り糸が引っ張り上げられてしまった。

 

 スネ夫がどっかへ持ち出したと思いながら帰ろうとすると、ジャイアンが新聞紙で下半身を隠しながら、すごい形相で「へんなことばっかりおきる。犯人をつかまえたらただじゃおかねえ」と凄んで走り去った。

 

 スネ夫がドカンのある広場で、釣り堀と釣り竿を使って、ジャイアンに貸したままになっているまんがやおもちゃを取り返すんだといって、せっせと釣り上げていた。

 

 ジャイアンが家に帰ると、部屋の軍艦が釣り上げられようとしていたので、釣り糸につかまって、スネ夫に釣り上げられることになった。「おまえか!!」と怒鳴り、思う存分なぐったあと「これでスーッとした」と言いながら、下半身はブリーフのまま意気揚々として帰っていった。

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