だせば当たる!!  けん賞用ハガキ [★★]

[初出誌] 『必中けん賞はがき』、「小学四年生」19821月号、10頁、73コマ

[単行本]  『だせば当たる!! けん賞用ハガキ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第33巻」1985425日 初版第1刷発行、10頁、76コマ

[大全集] 『だせば当たる!! けん賞用ハガキ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1120101130日 初版第1刷発行、10頁、76コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『必中けん賞はがき』が『だせば当たる!! けん賞用ハガキ』に変更

 「ロボットが家じゅうのハガキを」、「いったいなにに使ったんだ!!」コマ挿入[455(4)]

 

 「なんだろ」コマ挿入[455(9)]

「銀河系一周旅行」、「光子推進宇宙ヨット」、「星一個当たるけん賞もあるんだよ」コマ挿入[155(9)]

 

[梗概] テレビのクイズマニアであるはる夫はテレビの懸賞で新しいゲームウオッチを当てている。はる夫が努力すればかならず報いられると力説するので、のび太が全財産をつぎ込んで五枚のハガキを買った。はる夫に懸賞の宛先を聞きに行って、家に戻るとハガキが全部なくなっていた。

 

 ドラえもんが使ったと思ったので、取り戻そうと外に出ると、たまたま安雄に出会った。安雄が手にハガキを持っていて、急いで使う必要もないと言うから、一枚借りることにした。のび太が念力を集中して考えていたら、たった一枚のハガキであるので、賞品がよくてもっと当たりやすい懸賞をはる夫に聞きに行った。

 

 すると、ラジコンヘリコプターの当たる懸賞を紹介してもらったので、家に帰って応募しようとすると、またもそのハガキがなくなっていた。

 

 「ロボットが家じゅうのハガキを、いったいなにに使ったんだ!!」と腹を立てていると、部屋の中にひみつ道具『返事先取りポスト』が置いてあった。「コト」となにかが届いたので、あけてみると、ドラえもんあての小包みで、中にはみられない一枚のハガキが入っていた。

 

 そこへ、安雄がゲームウオッチの懸賞に応募するから、さっきのハガキを返してほしいとやってきた。なかったので、代わりにドラえもんに届いたハガキをあげることにした。

 

 のび太は「あ~あつまんない」とふて寝していると、ドラえもんが「タイムマシン」で、バンザイと叫んで帰ってきた。ドラえもんは未来の懸賞に当ったので、二十二世紀の新聞の当選者発表欄に名前が出ていた。

 

 のび太が「今のハガキを未来へだせるの」と質問すると、「先取りポスト」を使えばと言いながら、ポストの前で楽しみに待っていた。当たったのはひみつ道具『必中けん賞ハガキ』で、「それを使えば、どんな懸賞にも絶対に当たるんだ。

 

 しかもすぐに賞品が届く」、賞品は「銀河系一周旅行、光子推進宇宙ヨット、星一個」という豪華なものであった。

 

 安雄が「あのハガキでだしたら当たったよ。しかもすぐ賞品がとどいた」と見せにやってきた。のび太が「じつは…」と謝ると、両目が太い矢印で二個描かれるというドラえもんマンガ史上最大の凄い形相で、「ドラやき食べたいのもがまんして、何百枚もハガキを出してやっと当たったのに。ゆるせない!! にげてもだめだぞ。かならずさがしだして…」と怒りまくった。

 

 のび太がドカンの後ろに隠れていると、安雄とはる夫が「ポスターみた? すごいけん賞がでたね。使い捨てタイムテレビが当たるんだ」と噂していた。まさかと思って、子どもたちが「ワイ ワイ ガヤ ガヤ」騒いでいるところへ行くと、写真入りで、一枚のポスターが貼られていた。

 

 それには、「大けん賞!! のび太をとらえた人には使いすてタイムテレビをあげる ドラえもん」と書かれてあった。

 

 のび太が子どもたちに追い掛けられながら、「おぼえてろ~っ」と叫んで逃げているとき、ドラえもんは屋根の上で右手を枕にし、左手に食べかけのどら焼きをもって、悠然と横になって下界の光景を楽しんでいた。

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