なぜか劇がメチャクチャに [★★★]

[初出誌] 『「オート・アクションプロンプター」と「脚本カセット」』、「小学四年生」198111月号、11頁、76コマ

[単行本]  『なぜか劇がメチャクチャに』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第28巻」1983825日 初版第1刷発行、11頁、79コマ

[大全集] 『なぜか劇がメチャクチャに』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1120101130日 初版第1刷発行、11頁、79コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『「オート・アクションプロンプター」と「脚本カセット」』が『なぜか劇がメチャクチャに』に変更

 「えー、学校のコンクールなのに?」が「ええ、学校のコンクールなのに?」に変更[429(3)]

 

 「またはじまった」、「とにかく終わりまでやってみようじゃないの」コマ挿入[436(5)]

「やめてやめて」、「とまらないんだよォ」、「は、は、肌着を………」コマ挿入[437(8)]

 

「は、は、はだ着を…」コマ削除[181(1)]

「機械をとめてえ!!」コマ挿入[437(9)]

「か、か、神さまのおめぐみが……」コマ挿入[438(2)]

 

[梗概] クラス会で、グループ別演劇コンクールをやることになり、のび太はドラえもんにひみつ道具『オート・アクションプロンプターと脚本カセットと万能舞台装置』を出してもらっている。

 

 ジャイアンはスーパーマン。スネ夫はシェークスピアのハムレット、しずちゃんはかぐや姫を希望していた。ドラえもんは超能力者、王子、姫がでてきて、のび太がおもしろがるような名作を脚本セットで制作することにした。

 

 この脚本を「オート・アクションプロンプター」にカチャッと挿入し、さらに「万能舞台装置」につなぐと、「ビカッ」と効果音付きで画面が現れた。

 

 衣装は着がえ光線を当てると、スネ夫は王子さまに、ジャイアンは超能力を持った魔女に、のび太はとなりの国の王女さまになった。しかし、人魚姫になるしずちゃんが拒絶したので、新しいカセットを探すことにした。

 

 今度の脚本は「チビクロサンボ」であった。しずちゃん以外はみんなトラの役を演じることになった。スネ夫は「幼稚園みたい」と不満を漏らしたが、ドラえもんが「機械をのび太に合わせてあるからだ」と反論している。ドラえもんのかたわらの「チビクロサンボ」役のしずちゃんは「かわいらしくていいじゃない」ととてもご満悦である。

 

 新しいこうもりがさをさしてとても楽しそうに「ランラン」と歌いながら歩いていると、ジャイアンが「ウオー、食べちゃうぞ」と脅すので、サンボ役のしずちゃんは「こうもりあげるからゆるして」と懇願している。

 

 ドラえもんに対しては「くつをあげるからたべないで」、スネ夫に対しては「シャツをあげるから………」と頼んでいる。最後ののび太が「つぎはぼく」とうれしそうな顔で催促すると、サンボ役のしずちゃんは「ちょっとまって。それじゃけっきょくはだかじゃないの!!」と猛烈に腹を立て、「わたし帰る!!」と言い出した。

 

たったひとりの女優がいなくなると困るので、ドラえもんたちはしずちゃんの宝塚風の男役、豪華な服を着た王さまというリクエストに応じることにした。しかし、「脚本セット」で脚本を作ると「はだかの王様」という題になり、最後は、裸で町を歩くというので、ほかの脚本を「ピコ ピコピコ チーン」と懸命に探した。

 

 するとだれも知らない、グリム童話『星の銀貨』という脚本がでてきた。しずちゃんが「ねんのためどんな話かを聞かせて」とドラえもんに頼んだので、「星が銀貨になってふってきて、やさしい親切な女の子がしあわせになる」というとてもロマンチックな話であると説明している。

 

 今度は「強制ボタン」を押さないで、終わりまでやりとおすという条件で劇を始めた。

 

 「お父さまもお母さまもなくなって、わたしはひとりぼっち。残っているのはパン一個だけ。でも、わたし泣かないわ。神さまがまもってくださるから」と、星のきれいな晩歩いていると、ジャイアン扮する男の人が「おなかがすいて…」と訴えるので、パンをあたえた。

 

 しばらくすると、ドラえもん扮するおばさんが「さむくてこごえそう」というので、服をあたえている。

 

 いやな予感がすると思っていたら、スネ夫扮するみすぼらしい女の子は「スカート」を、のび太扮する貧しい女の子は「は、は、肌着を…」と言いだしたので、ドラえもんは機械の強制ボタンを押したが、止まらなくなってしまった。

 

しずちゃん扮する女の子は「か、か、神さまのおめぐみが…」と言いながら、最後の肌着もぬいて、手渡そうとするので、ドラえもんはとんかちで「ドカン」と機械を壊してしまった。

 

泣きじゃくるしずちゃんをジャイアンとスネ夫が慰め、のび太は「なんでそんなエッチな機械を出したんだ!!」と、ドラえもんに激しく抗議していた。すると、ドラえもんが「忘れないでほしいな。

 

あの機械はきみの見たがるような劇を選んだんだぞ!!」と反撃してきたので、形勢が逆転し、のび太は「おまえのせいで劇がめちゃめちゃだ!!」と全員に追い掛けられることになった。

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