無人島の大怪物 [★★★]

[初出誌] 『変身リングとカード』、「小学四年生」19819月号、21頁、139コマ

[単行本]  『無人島の大怪物』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第41巻」1990825日 初版第1刷発行、21頁、146コマ

[大全集] 『無人島の大怪物』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1120101130日 初版第1刷発行、21頁、146コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『変身リングとカード』が『無人島の大怪物』に変更

 「のんびりとどこへ行ってやがった!!」、「ドラえもんはどうした!?」コマ挿入[412(1)]

 

「ドラえもんにたよらないとなにもできないのか!?なさけないやつらだな!!」コマ挿入[412(4)]

「ピンチのときこそひとりひとりのほんとうの姿があらわれるものさ」コマ挿入[412(5)]

 

「文字なし」コマ挿入[414(1)]

「文字なし」コマ挿入[414(2)]

「恐竜とたたかってるところをみんなにみせたいな」が「待てよ…これでふた役は無理か…」に変更[414(3)]

 

「ワア、やめろやめろ」、「助けてくれえ!!」コマ挿入[416(1)]

「文字なし」コマ挿入[416(3)]

「チョロ」挿入[416(4)]

 

[梗概] ジャイアンは「電車はギュウギュウこんでるし」、スネ夫は「車はつながちゃってうごかないし」、しずちゃんも「海へ遊びにいくのもたいへんなのよね」となり、ドラえもんに頼んで連れて行ってもらおうと三人の結論は一致した。

 

 のび太が「あいにくだけど、ドラえもんがるすなんだ」と話すと、ドラえもんが玄関から顔を出し、「ぼくに用?」、のび太がどこでもドアが故障していると告げると、「ぼくがそんな安っぽい道具をもってるか!! みんなで海へ? いいねえ、いこういこう」となった。

 

 ドラえもんが「どうせならだれもいない無人島へいこう」というと、のび太はドラえもんをきびしくにらむことになった。さっそく着替えて、海で泳ごうとなったが、のび太は泳げないので、「だからいやだったんだ!! みんなにばかにされて…。くやしいよ~」と泣き崩れた。

 

ドラえもんは最初ひみつ道具『変身リングとカード』を出したが、簡単すぎるといって、『スパルタコーチ』に代えている。この道具を装着すると、強制的に海へ「ザバ」と引きずり込まれ、おぼれる前に引きあげて、水をはかせてくれる優れものであった。

 

何度も海でおぼれて、引きあげられたので、金具をはずそうとしてもどうしてもはずれないので、大きな石をこの道具に「ガシン」とぶつけて、破壊してはずすことができた。

 

 ドラえもんが最初に出したひみつ道具を探し出して、説明書を読むと、「このカードをセットし、リングをくぐると、その動物に変身できる。ききめは十五分続く」と書かれてあった。魚のカードをセットして、リングをくぐると、人魚に変身できた。

 

 みんなが楽しそうに泳いでいたが、のび太は魚のようにはやく泳げるので、スネ夫やジャイアンの足を引っ張ったりしていじめることにした。のび太が泳げるのを見て驚いていたら、十五分がたって、「アップ アップ」とおぼれだしてしまった。

 

 ドラえもんはのび太が変身リングを使ったことに気づいたので、つかまえようとした時、ネズミに変身したので、ドラえもんは気絶してしまった。

 

 しずちゃんから猛獣でもいるんじゃないかしらと言われていたが、スネ夫とジャイアンはおなかがすいていたので、木の実なんかを探しに出掛けた。ライオンに変身してスネ夫を「ガオ」と驚かせた。

 

 悲鳴が聞こえたが、ジャイアンは「どうせ、のび太がミミズでも見たんだろ」と高をくくっていたので、のび太は大蛇に変身してスネ夫同様ジャイアンの海水パンツを引きちぎっている。しずちゃんはふたりのスッポンポンを見て、「もういや!!」と背を向け、両手で目をかくし、「こんな島いやよ。帰りましょ!!」と弱音を吐いている。

 

 のび太はばかにした三人に仕返しするため、「どこでもドア」を隠してしまった。帰れなくなったと泣いている三人をあとにして、のび太は「どこでもドア」で家に帰り、三時のおやつに大好きなナシを「シャキ シャキ」食べていた。

 

 腹が減ったと嘆いているジャイアンに、「ゴロ ゴロ」とナシを投げつけ、「食べな、野生のナシみつけたんだ」と告げている。しずちゃんは「たいへんよ、ドアがなくなったの」、スネ夫は「ライオン!!」、ジャイアンは「大蛇!!」と怯えていた。

 

 のび太は「うろたえるな!! ドラえもんにたよらないとなにもできないのか!? なさけないやつらだな!! ピンチの時こそひとりひとりの本当の姿が現れるものさ。どんなときも勇気をもって進めば、かならず道はひらけるのだ!! しずちゃん、ぼくがついてるよ」、「たのもしいわ」となった。

 

 「こんな島にライオンがいるなんて、やっぱりおかしいよ。大蛇だってな。おれさ、あんときあんまり腹ぺこで頭がボーッとしてたから。「そうだ!! 幻覚を見たんだよ、ぼくも。そうだわ! きっとそうなのよ!!」と三人の意見はまとまった。

                                                                                                                                                                                                                                                                   

 のび太はもっとおどかさないとだめだと思い、怪獣のカードでおどかそうとしたが、二役は無理だと気づき、「ドラえもんを変身させて、八百長試合をやろう」と決心した。

 

 ドラえもんが気絶した当たりを探したが、見つからなかった。目の前に、巨大な怪獣が現れたので、「そうか! ドラえもんだね。リングをくぐったんだね」と話しかけていると、ドラえもんが「のび太! かってなことをするなと」と駆けてきた。

 

 目の前の怪獣が「ウガーッ」と吠えたので、のび太たちは「ギャアーアー」と絶叫することになった。

 

 ドラえもんが怪獣に「ワア やめろやめろ。助けてくれえ!!」と悲鳴を上げていると、「ボン」と変身が解けて、「チョロ」とトカゲが現れたので、このトカゲがリングをくぐったことに気づいた。

 

 のび太は目を回して、スッポンポンで仰向けに寝っ転がっていた。ジャイアンやスネ夫に「みろよ、小さなトカゲみてひっくりかえってる」と笑われ、しずちゃんは顔を赤らめ、「も~、いやいやいやっ」と絶叫していた。

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