のび太は世界にただ一匹[★★]

[初出誌] 『国際保護動物スプレー』、「小学四年生」19813月号、10頁、63コマ

[単行本]  『のび太は世界にただ一匹』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第27巻」1983425日 初版第1刷発行、10頁、66コマ

[大全集] 『のび太は世界にただ一匹』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1020101030日 初版第1刷発行、10頁、66コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『国際保護動物スプレー』が『のび太は世界にただ一匹』に変更

 「このあそびを「のび太ボーリング」と名づけよう」が「この遊びを「のび太ボウリング」と名づけよう」に変更[458(7)]

 

 「おまえはボーリングのビンだぞ!!」が「おまえはボウリングのビンだぞ!!」に変更[460(3)]

 「グー」コマ挿入[461(6)]

「おういのび太が通るぞ!!」コマ挿入[462(3)]

「のび太」、「本物のび太」コマ挿入[462(4)]

 

[梗概]  新聞には、トキが捕獲されたという記事が出ていた。現在、トキは世界中で佐渡島に五羽しか生存せず、絶滅を防ぐための措置であった。ドラえもんは二度とこういうことにならないため、ひみつ道具『国際保護動物スプレー』を出している。

 

  このスプレーを吹き付けられると、「国際保護ガスがしみついて、国際保護においがでるから、敵におそわれることもなく安心していきていける」というものである。

 

 のび太がこのスプレーを持って歩いていると、木の棒でイヌをいじめている男の子がいたので、「プシュ」とイヌに吹き付けると、「これからだいじにするからな」と抱いて帰って行った。子ネコを四匹をすてたおばさんも「すてたりしてごめんね」と、ネコの入った段ボール箱を持って帰っている。

 

 その後、のび太は野良犬に左足をかまれ、ジャイアンとスネ夫がのび太をボーリングのビンに見立て、「のび太ボーリング」と名付けながら、ボールを投げてのび太を「ズデン」と転ばしている。

 

  さらに、追いかけてくるので、塀の横に隠れていると、先生に見つかり、「きみはますます成績が…。それなにのこんなところでフラフラと…」と説教されてしまった。

 

 「ぼくは動物保護のためいっしょうけんめいはたらいているのに!! みんなよってたかってぼくのことをいじめる!! どうしてトキばっかりだいじにしてぼくを…」と言いかけたとき、のび太は「野比のび太はぼく一人。もしぼくがいなくなったら…。ぼくは絶滅するんだ!!」と、「ハッ」と気づいた。のび太は保護しなくちゃと思いながら、「プシュ」とスプレーを吹き付けた。

 

 ジャイアンとスネ夫に見つかり、逃げたが「ギュ」と押さえつけられてしまった。すると。二人から「悪かった。だいじょうぶか? ケガはないか。一人で帰れるか。送っていこうか」と極端にやさしくされた。

 

  しずちゃんの家に行くと、「世界で一人しかいないのび太さんだもの。めずらしくて」と、「ジロ ジロ」見つめられた。おなかが「グー」となると、しずちゃんはママに「おなかすかして絶滅したらたいへん。なにかエサをあげて」と頼んでいる。

 

 町を歩いていると、「おういのび太が通るぞ!!」と指さされ、「のび太。本物ののび太。あれが世界でただ一匹ののび太だよ。よく見ておきなさい」と注目の的になった。ついには、虫網で「バサ」とのび太をつかまえ、おまわりさんに注意される年配の男性も出てきた。

 

  家に帰っても、ドアを「ドン ドン」叩いて、「いれろ! みせろ!」と町の人が殺到していた。ママが「家のまわりを見物の人がとりまいて…」と部屋に飛び込んできたが、ドラえもんは冷や汗を垂らしながら、「保護を取り消すクスリはなかったなあ」と懸命に四次元ポケットをさぐっていた。

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