サイオー馬 [★★]

[初出誌] 『「サイオー馬」……』、「小学四年生」19812月号、10頁、66コマ

[単行本]  『サイオー馬』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第44巻」1993525日 初版第1刷発行、10頁、69コマ

[大全集] 『サイオー馬』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1020101030日 初版第1刷発行、10頁、69コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「どこかにナワがないかな」、「さがしてくる」が「どこかに……ナワが……」、「ナワがいるの?」に変更[446(4)]

「さがしてくる」コマ挿入[446(5)]

「さがすと見つからないものだな」コマ挿入[446(6)]

 

「かりていくぜ」が「貸りていくぜ」に変更・校正ミス[449(4)]

「残りもみんな友だちからかりっぱなしの本だ」が「残りもみんな友だちから貸りっぱなしの本だ」に変更・校正ミス[450(2)]

「とても無理よ」コマ挿入[451(7)]

 

【単行本vs.大全集】

 「かりていくぜ」が「貸りていくぜ」に変更・校正ミス[449(4)]

「残りもみんな友だちからかりっぱなしの本だ」が「残りもみんな友だちから貸りっぱなしの本だ」に変更・校正ミス[450(2)]

 

[梗概] のび太は「天気予報を信用してめずらしくカサをもってでかけたんだ。ところが日本晴れ。バス停へいけばバスが、駅へついたら電車が…。交差点では、渡ろうとするとたん赤になる。やっとたどりついたおじさんの家はるす。おまけにかさを忘れてママに叱られるし…」とくどくど話したあと、のび太はドラえもんに「ろくでもない目にばかりあうのもういやだ。なんとかしてくれ!!」と強引に頼んでいる。

 

 ドラえもんは「そう気を落とすな。人間の運命なんてものは…、キョロ キョロ どこかに…ナワが…」となったので、のび太は「ナワがいるの? さがしてくる」といって懸命に物置からナワをさがしてきた。

 

  すると、ドラえもんは「いいかね運命なんてものはこのナワのように…、いいことと悪いことがからみあって」とナワで実演させてみせた。のび太は「そんなくだらないお説教のためにナワをさがさせたの!?」と腹を立て、その上、ママから「ちゃんと片付けなさいよ!!」と怒鳴られてしまった。

 

「みろみろぼくだけが、悪いあとには悪いことがつづくんだあ」と泣いて訴えるので、ドラえもんはひみつ道具『サイオー馬』を出している。「悪いことやいいことがあった時、この馬がけとばしてくれる。とたんに逆転! 悪いあとにはいいこと、いいあとには悪いことが起きる」というものである。

 

 今悪いことが起きたから、「パカ」とけられると、「ドサ」と吹っ飛ばされ、目の前にさがしていた大事なまんがを手に入れることができた。あやうくちり紙交換に出されるところであった。十分間この馬を押さえておけばだいじょうぶなので、しずちゃんが読みたがっていた本を持っていこうとした。

 

  途中、ジャイアンに奪われたので、馬に「パカ」とけとばしてもらうと、ジャイアンの玄関で、かあちゃんが「勉強もしないでまんがばかり読んで!!」と怒鳴りながら、十冊ばかりの本を「ドサ ドサ」とジャイアンにぶつけた。

 

  その中には、もう返えらないとおきらめていた本や、友だちからかりっぱなしの本があったので、返してやったら喜ぶだろうと考えた。

 

 馬が「パカパッ パカパッ」と追い掛けてきたが、「ヒラリ」と身をかわしたり、隠れたりして、次の悪いことを避けることができた。スネ夫やはる夫や安雄に本を返してとても感謝された。

 

  しずちゃんの家では、本の件で感謝され、ケーキや果物もごちそうになることになった。そこへ、馬が「パカパッ パカパッ」と部屋へ入ってきたので、「ヒラリ」と身をかわし、しずちゃんと一緒につかまえようとしたが、どうしてもつかまらず、部屋へ閉じこめることにした。

 

 外へでると、馬と関係ない野良犬に足を咬まれていると、そこへ、馬が「パカパッ パカパッ」とやってきたので、犬は馬に気をとられて、「ワン ワン ワン」と追い掛けていった。

 

  「かんじんのときに役に立たないやつめ!!」と考えていたら、馬と関係なく、車に「バシャ」と水をかけられ、馬を追い掛けると、「マンホール」に落下してしまった。

 

  「もうあんなやつのせわになるもんか」と思って家に帰ると、玄関前でさっきのお礼といって、みんなから新しいマンガを貸してもらえることができた。さらに、のび郎おじさんからおこづかいをもらうこともできた。

 

 ドラえもんから「だからいったろ。悪いことばっかりつづくもんじゃないって」と話していると、馬が「パカパッ パカパッ」とやってきたので、のび太は屋根の上に逃げ、ドラえもんに「はやくなんとかしてえ!!」と悲鳴をあげながら、馬から逃げ回っていた。

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