うつしっぱなしミラー[★★]
[初出誌] 『うつしっぱなしミラー』、「小学四年生」1980年12月号、10頁、66コマ
[単行本] 『うつしっぱなしミラー』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第22巻」1981年8月25日 初版第1刷発行、11頁、77コマ
[大全集] 『うつしっぱなしミラー』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 10」2010年10月30日 初版第1刷発行、11頁、77コマ
【初出誌vs.大全集】
「ミラーよ、ミラー」、「ぼくのドラやきをうつしておくれ」コマ挿入[424(8)]
「ほーら、うつってる」が「ほうら、うつってる」に変更[425(1)]
「犯人の見当もついてるが、このミラーでたしかめる」、「ホー」コマ挿入[425(4)]
「カチ」削除[427(7)]
「ボールどろぼう!!」、「カチ」コマ挿入[428(1)]
「とれた?」、「バッチリ!」、「イヌは、スネ夫たちをひきはなしてつっ走っている」コマ挿入[428(2)]
「世の中には、ぼくらより運の悪い人もいるんだね」コマ挿入[430(3)]
「うらなりさあん」コマ挿入[430(5)]
「…………」コマ挿入[430(6)]
「あなたのでしょ、これ」コマ挿入[430(7)]
「お父さんの写真!!」コマ挿入[430(8)]
「いいこと思いついた」挿入[430(10)]
「早くあれをだして」が「つぎはあれを出して」に変更[431(1)]
「お父さんはいつもおまえをみているよ」が「ひさしぶりにおまえに会えてうれしいよ」に変更[432(2)]
「元気でやっているかね」、「う、うん」コマ挿入[432(3)]
「それはよかった」、「気がかりだったんだよ」、「ひとりぼっちでメソメソしてやいないかってね」、「もうへいきだよ。ひとりぼっちじゃないもの」コマ挿入[432(4)]
[梗概] 転校生のうらなりくんに、のび太が「なに見てるの?」と声を掛けても、うらなりくんは「プイ」と横向いて、鉄棒のある運動場のすみっこでションボリしていた。
家に帰ると、どら焼きが部屋においてあったので、のび太はこっそり隠してしまった。ドラえもんが帰ってきて、どら焼きがないので、ひみつ道具『うつしっぱなしミラー』を出し、「ミラーよミラー、ぼくのどらやきうつしてくれ」と唱え出した。
すると、隠し場所もすぐミラーに映し出され、このミラーはビデオタープの役目をするので、十分前から巻き戻しをして、犯人をのび太であると特定している。このミラーは本来、「魚をうつして海の中の姿を観察したり、アリの巣の中の生活を調べたり、渡り鳥のルートをたどる」ために開発された機器である。
往来でうらなりくんがなにかを探していたので、のび太が尋ねても返事もしなかった。そこへ、ジャイアンたちの野球ボールをくわえたイヌがやってきたので、ミラーで「カチ」と撮ることができた。そして、ジャイアンとスネ夫にボールどろぼうの野良犬が埋めた場所を知らせると、とても感謝された。
しずちゃんが拾った写真をこのミラーで映して、調べると、うらなりくんがいつも見ていた写真であることがわかった。しずちゃんはうらなりくんのことをよく知っていて、「お父さんは船員で海へでてるし。
最近、お母さんが入院した」と教えてくれた。しずちゃんがうらなりくんの家にこの写真を持っていくと、「おとうさんの写真!!」と大喜びし、「ありがとう!!」と感謝するので、のび太はその姿をミラーで撮影することができた。
のび太はドラえもんからもう一枚のミラーをだしてもらい、「どこでもドア」で、外国航路に乗っているお父さんに、手渡している。そのミラーを見て、「おおっ、一夫じゃないか。うごいている!!」と感動している。
うらなりくんがミラーを見ると、「一夫! ひさしぶりにおまえに会えてうれしいよ。元気でやっているかね。……。ひとりぼっちでメソメソしてやいなかったかね」と声を掛けられ、「もうへいきだよ。ひとりぼっちじゃないもの」と元気に答えている。
その後、みんなとサッカーなどをし、しずちゃんからも「うらなりくん、元気になってよかったわね」と言われている。
[S1045・A2212・048012]