災難予報機[★★]
[初出誌] 『災難予報機』、「小学四年生」1980年7月号、10頁、66コマ
[単行本] 『災難予報機』、「てんとう虫コミックス ドラえもんプラス第4巻」2006年1月25日 初版第1刷発行、10頁、69コマ
[大全集] 『災難予報機』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 10」2010年10月30日 初版第1刷発行、10頁、69コマ
【初出誌vs.大全集】
「ええ、そーなのよ、オホホホ…………」が「ええ、そうなのよ、オホホホ………」に変更[345(5)]
「いないゴキブリにどうやってけとばされるの?」コマ挿入[351(1)]
「文字なし」コマ挿入[351(4)]
「めくらないでってのに!!」、「グイ」コマ挿入[351(6)]
[梗概] のび太は野球のゲームが始まる前に宿題を終えることができなかった。ジャイアンの厳しい仕打ちやママゴンに八つ裂きにされることを考えると、のび太の頭はパニくってしまった。ひとまず、ジャイアンに電話を入れようとしたが、ママが電話をしていたので、不可能であった。
ドラえもんが熟睡していたので、『四次元ポケット』を探っていると、未来の電話らしきものが出てきた。電話口で、「ジャイアンをたのむ」と話すと、「カタ カタ」と「ジカンハ?」というテープが出てきてので、「五分以内にたのむ」と話すと、「オシツブサレル」と出てきた。
この機械では用を足せないと思い、直接ジャイアンの家に行くと、ジャイアンのかあちゃんは「手がたりないから店番しなっというんだよ!!」と怒鳴り、ジャイアンは「野球はおれの命だ!! いくらかあちゃんのいいつけでも…」と猛反発していたが、最後はかあちゃんのお尻で「ギュー」と押しつぶされてしまった。
家に帰って、ドラえもんに尋ねると、この機械は『災難予報機』であり、「何時間以内にどんな災難にあうか知らせてくれる」ひみつ道具である。のび太は「あらかじめ心の準備をととのえて災難に立ちむかいたい」とドラえもんに啖呵を切っていた。
しかし、自分のことになると怖くなり、スネ夫が三十分以内にどんな災難にあうかを聞いてみると、「プールでおぼれる」と出てきた。野球に行くスネ夫に注意すると、「バーカ」と言われたが、車の事故で、幼児用のビニールプールまで飛ばされて、スネ夫は溺れそうになった。
しずちゃんの災難を調べると、「ゴキブリにけとばされる」と出てきた。しずちゃんに「二時間以内にゴキブリにけとばされる」と注意すると、「うちにはゴキブリなんかいません!!」とピシャリとドアを閉められてしまった。
ひみつ道具である『石ころぼう』をかぶって、ドラえもんとのび太がしずちゃんの部屋を探しても、どこにもゴキブリは発見できなかった。機械はうそをつかないので、二時間が過ぎるまでしずちゃんについてあげることを決めた。
しずちゃんがお風呂から上がってくるまで、何も起こらなかった。しずちゃんが廊下を歩いていると、「ドタ ドタ ドタ」という足音が聞こえ、身代わりののび太にどしんとぶつかって、トイレに駆け込むゴキブリの縫いぐるみを着た人がいた。
しばらくすると、うらの空き地で「ゴキブリこいこい」のCMフィルムを撮影している人がやってきて、しずちゃんに「一秒もがまんできないというもんで、おたくのトイレをちょとはいしゃく…」とおわびを入れていた。
[S1040・B0411・048007]