税金鳥[★★]

[初出誌] 『税金鳥』、「小学四年生」197910月号、10頁、65コマ

[単行本]  『税金鳥』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第22巻」1981825日 初版第1刷発行、10頁、68コマ

[大全集] 『税金鳥』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 92010830日 初版第1刷発行、10頁、68コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「パチ」コマ挿入[361(1)]

 「ママー」が「ママあ」に変更[361(7)]

「ハラワナケレバ、サシオサエシマス!!」コマ挿入[363(3)]

 

「バババ」挿入[363(4)]

「やりやがったな!!」、「ドカ ボカ」コマ挿入[363(5)]

 

[梗概]  本の買えないのび太は本屋の主人からはたきで追い出され、一方、スネ夫は新刊を一度に十冊も買っていた。不公平をドラえもんに訴えると、ひみつ道具『税金鳥』を出してくれた。この道具はこづかいから税金を取り、金額が多いほど、税金が高くなる。例えば、千円未満は一割、千円以上は三割、一万円以上は七割である。

 

 土管のある広場で、ジャイアンから「こんなすばらしいアイディアは聞いたことがない! のび太よ、おまえはさえてるなあ」と絶賛された。

 

 さらに、ジャイアンから「税金でジャイアンズのユニフォームをつくろうぜ。専用の球場も」、のび太からは「マンガ図書館をつくろう。ビルを立てて食道やゲームセンターやひるね室、家出室…」といった案も次々に出された。

 

 一部の男の子から反対意見も出たが、ジャイアンの「自分さえよければいいのか」の一喝で実施することになった。「税金鳥」は「パタ パタ ピポー ピポー サー」と、ドラえもんのどら焼き代百円の中から一割の税金を取り上げている。

 

 はる夫の場合、家の貯金箱に貯めた23,046円から16132円の税金を徴収され、抵抗したため、「ビビッ」と感電させられている。のび太はママからこづかい五百円、インドへ行くのび郎おじさんから三万円分のお年玉をもらったので、たっぷり税金を取られてしまった。

 

 税金の集まりぐあいはのび太21,050円、しずちゃん11,200円、出木杉49,000円、最高額は金尾タメルの91,800円であった。一方、ジャイアンとスネ夫はゼロ円であったので、「自家用衛星」を打ち上げて、モニターすると、ジャイアンはお菓子を横取りしたり、本を強引に借りているため、税金を払う必要がなかった。

 

 スネ夫は貯金をママに全部あげ、そのお金で、ママに「プラモのレーシングカーを買っておいで」と頼み、「ぼくが買ってきてママにわたすから、それをぼくにくれればいいの」といったアイディアを駆使して、税金を逃れていた。

 

 出木杉は「顕微鏡がほしくていっしょうけんめいためた貯金だぞ。近所の小さな子の家庭教師をしたりして」と、めずらしく涙を流しながら、抗議している。はる夫も「貯金だけが楽しみで、ほしい物も買わずに貯めた金だったのに!」と、ドラえもんに訴えている。

 

 税金を払わないで、上機嫌なジャイアンが往来を歩いていると、十円玉を拾うことになった。「税金鳥」が税金の徴収にあらわれたので、ジャイアンは「ばか!! もっと金もちからとれ!!」と抵抗した。

 

 すると、「バババ」といった感電攻撃に対して、ジャイアンが「やりやがったな!!」と反撃し、「ドカ ボカ」とバットで機械をぶっ壊してしまったので、税金ごっこはおしまいになってしまった。

[S0944A2214047910]