出てくる出てくるお年玉[★★]

[初出誌] 『お年玉ぶくろ』、「小学四年生」19791月号、10頁、69コマ

[単行本]  『出てくる出てくるお年玉』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第20巻」1981125日 初版第1刷発行、10頁、72コマ

[大全集] 『出てくる出てくるお年玉』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 82010630日 初版第1刷発行、10頁、72コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『お年玉ぶくろ』が『出てくる出てくるお年玉』に変更

 「つまりケチになればいいんだ」、「ま、そういうこと」コマ挿入[365(1)]

「きたないなあ」コマ挿入[365(7)]

「鼻がヒリヒリする」、「もう出ないや」、「いくらたまった?」コマ挿入[365(8)]

 

[梗概]  パパは、今よりも多いお年玉は無駄づかいを覚え、教育上よくないという理由で、のび太のお年玉値上げの要求を退けている。のび太は「ブツ ブツ」文句を言いながら、今年もつまらない年になりそうだとドラえもんに訴えている。

 

  かわいそうなのび太の姿を見て、ドラえもんは三種類のひみつ道具からなる『お年玉ぶくろ』を取り出している。


 最初の「梅」である「お年玉ぶくろ」は「ごほうび型」である。この「お年玉ぶくろ」は「人のためにいいことをして「ありがとう」といわれるたびに十円ずつでてくる」ものである。しかし、叱られるとごほうびが取り消されるという厳しいところのある袋でもある。


 二番目の「松」である「お年玉ぶくろ」は「なぐさめ型」である。「叱られたり、いたいめにあったとき、ふくろの中からお金がでてくる」タイプである。自分で頭を叩いて痛い目にあっても、なにがしかのお金がでてくるが、きわめて少額である。

 

  ドラえもんによれば、「いままでの最高記録は千二百八十四円なんだ。その記録を出した人は半年入院した」という話である。

 

 最後の「竹」である「お年玉ぶくろ」は「せつやく」型である。「むだをはぶくとはぶいた分だけお金になってでてくる」というものである。短くなった鉛筆をホチキスでとめて使うと、二十一円でてきた。のび太が一度使ったチリ紙を広げて乾して使うと、三円でてきた。

 

さらに、チリも積もれば山となると思い、鼻がヒリヒリするほどチリ紙を乾して使うと、袋のお金は消えてしまった。チリ紙を無駄づかいしたと判断されたためである。

 

のび太はストーブを止め、電灯も消し、戸を開けたり締めたりすると、すり減って傷むから、開けっ放しにし、水洗の水がもったいないという理由で、庭でおしっこをしていた。

 

  帰宅したママとパパから、家が真っ暗で、ドアが開けっ放しのため、厳しく叱られることになった。頭までスッポリ毛布をかぶって暖を取っているドラえもんに対して、のび太は「松」の袋に取り替えてと頼んでいる。
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