人間製造機[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『人間製造機』は身の回りにある材料を使って、どこからどこまでも本物のそっくりな人間をつくることのできる機械である。

 

【使用目的】 出掛ける前のドラえもんから玄関で、のび太は机の前の機械に触るなと命令された。しかし、調べてみると、その機械の説明書には「人間製造機」と書かれてあった。

 

【使用結果】 新世界デパートのものが「人間製造機」を引き取りに来たが、のび太は持ち主がいないと断っている。

 

  「人間製造機」の説明書によれば、約三キロの赤ちゃんひとり分の材料は「脂肪」石けん一個、「鉄」釘一本、「リン」マッチ百本、「炭素」鉛筆四百五十本。コップいっぱいの「石灰」、ひとつまみの「いおう」と「マグネシウム」、1.8リットルビンの「水」であった。

 

  足りないものがあるので、しずちゃんの応援を頼むことにした。「ふたりでいっしょにつくらない?」とお願いすると、「なにを?」と聞いてきたので、耳元で「赤ちゃん!!」とささやくと、へんなじょうだんよしてっ!!」と怒って、「ベチ バリ バリ ガリガリ」となり、のび太は満身創痍になって、「なんで、あんなにおこるのか…。まったく女の子って、理解にくるしむよ」と思った。

 

 足りないものは乏しいおこづかいをはたいてそろえることができた。「人間製造機」に材料を入れてスイッチを押すと、「ゴボ ゴボ ゴボ ゴボ」となって、人間みたいな形になってきたので、みんなを呼んできて驚かそうとした。

 

  部屋を出るとき、機械のことが心配になって急いで帰ってきたドラえもんと、「ドシン」とぶつかった。デパートから取りに来たという話を聞いて、ドラえもんは安心してのび太と一緒にスイカを食べ出した。

 

 新製品にはとんでもない欠点が見つかり、製造した人間はミュータントであり、仲間を増やして人間を征服しようとしたため大騒ぎになったと、ドラえもんが語り出したので、のび太は青くなって、作ったと白状することになった。

 

  「人間製造機」には、ミュータントが完成していたので、ドラえもんが木の大きなトンカチで機械を壊そうとすると、念力でトンカチを奪われ、ドラえもんだけでなくのび太も「ガシン ゴチ ゴチ」と攻撃されることになった。

 

 ミュータントが機械から出て、のび太にテレパシーで「ミルク…モッテ…コイ…」と命令しているときに、しずちゃんがやってきた。「のび太さん、さっきはごめんね。だって、あんまりへんなじょうだんいうんだも」と玄関から入ってきた。

 

  左手にほ乳瓶をもったのび太を見ると、「だれのミルク?」と尋ねるので、「ぼくの赤ちゃん」と答えたので、さっきと同じような状況になってしまった。

 

 しずちゃんが怒って玄関を出るときに、ミュータントが「オギャーッ」と奇声を発すると、しずちゃんは「フワ フワ」と空中を漂った。そして、ミュータントは「しずちゃんを電気椅子」にと、とんでもないことをテレパシーで命じた。

 

  そのとき、ドラえもんがひみつ道具『逆時計』を使って、なにもかも二時間前と同じ状態にしてくれた。ミュータントは「チャカ チャカ ボチャ バアー」ともとの材料にもどってしまった。

 

  スネ夫とジャイアンの作った戦艦も最初の状態に戻ってしまった。その光景を見て、ドラえもんは「あちこちにめいわくをかけたらしいね」とのび太に話している。

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