ナイヘヤドア[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『ナイヘヤドア』を、アパートの壁に張り付けると、中は隣の部屋と同じになる。そして、ドアを取り外せば、外は元どおりの壁になる。

 

【使用目的】 のび太は一生懸命に貯金をして、自分一人だけの力で、アパート暮らしでもしたいと力説するので、感動したドラえもんは「ナイヘヤドア」を出している。

 

【使用結果】  お金はなかったけれども、ドラえもんはのび太を田中荘に連れて行った。大家さんが縁起を担いで、四号室を作っていないので、三号室と五号室の間に「ナイヘヤドア」を張り付けている。

 

ママを少しぐらい心配させるためのび太は家出をして、アパートに手荷物ひとつで引っ越している。ゴロゴロしていると、隣の人が間違って入ってきたので、外のドアを取り外すことにした。

 

ママが家出に気づいて、うるさいこごとなどを反省したとか、さらに、友だちもぼくの勇気と実行力に感心するだろうと、ドラえもんにとても楽しげに語っていた。

 

しずちゃんたちに電話すると、しばらくして、みんながドアの前にやってきた。大家さんが四号室などないと答えると、スネ夫やジャイアンが「あいつはそういういいかげんなやつなんだよ。こんどぶんなぐってやる!」と大声で文句を言っていた。

 

 裏口から出て引き留めようとすると、三人に合わないで、ママに会ってしまったので、のび太は「とめてもむだだからね」と叫んで、「ビュー」と部屋に戻ってきた。

 

  どっさり宿題があったけれども、ママに怒鳴られないとやる気が出ないので、ママに会って、「いつまでもうろついていないで、宿題やりなさい」と言われたので、やっと宿題をやる気になった。

 

 ドラえもんが晩ご飯のため、帰ると、のび太はカップメンを作ったり、洗濯をしたり、ラジオを大きな音で聞いたので、隣の人は三号室の人に、ラジオを小さくしてくださいと怒鳴っている。すると、隣同士がけんかを始め出し、うるさいアパートになってしまった。

 

ひとりぼっちになると、のび太は「ママはまだ、ぼくの家出に気がつかないのかな。ほんとなら、そろそろ心配になって、あちこちさがしまわって、つれもどしにくるべきなんだ」という心境になってきた。

 

「それとももうさがしてるのかな? さがしてもここだとなかなかみつからないかもな。もっとさがしやすいところへ、ひっこそう」という気になって、「ナイヘヤドア」をかついで家に帰った。家の壁に張り付けたけれども、「まだぼくの家出に気づかない、はく情なもんだなあ」とドアから顔を出して、やきもきしていた。

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