ドロン葉[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『ドロン葉』を弱い犬の頭の上にのせると、念波を放射して人を化かすことができる。この道具はタヌキの脳に合わせて作ってあり、弱い動物が身を守るために化けるための変身道具である。

 

【使用目的】 のび太がタヌキに化かされた旅人の話を読んで、ドラえもんに話すと「ドロン葉」を出してくれた。

 

【使用結果】 しずちゃんの裏の家で飼っているベソという犬(タヌキと同じイヌ科)は散歩にも連れて行ってもらえず、ごはんも残りものしか与えられないかわいそうなイヌである。飼い主はなにか気に入らないことがあると、「ビシッ ビシッ ギャン ギャン」と徹底的にいじめていた。

 

 のび太がベソの頭の上に「ドロン葉」をのせると、ベソはすごく乱暴で近所から誰にも相手にされないキョーボーという、あだ名の飼い主と「ドロン」と入れ替わってしまった。入れ替わってキョーボーの姿になったベソははじめて自由に外出できるので、はしゃいで飛び回っていた。

 

人が変わったようにおとなしくなったキョーボーは、町の男の子たちの野球仲間に入れてもらうことができた。野球を始めると、ピッチャーゴロでも、むちゃくちゃ足が速いのでランニングホーマーになってしまった。のび太としずちゃんは野球を見物していたが、イヌだからそうなるのも当然だと思った。

 

 イヌとなって鎖につながれたキョーボーは「これはベソのしかえしかもしれないな。さんざんいじめたからな…。と、すると一生このまま…」と苦く過去を反省していた。

 

  一日野球で楽しく終えた、イヌのキョーボーが家に帰ると、キョーボーのイヌはブルブル震えながら、やおら、「なぐるならなぐれ! いつもおれがやっているように」と仰向けになっていた。

 

ベソが自ら「ドロン葉」を頭からとると、「ドロン」と前の状態に戻ることができた。すると、元に戻ったキョーボーは涙を流しながら、しっかりとベソを抱き続けるのであった。

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