通話横取り電話[]

【道具解説】 ひみつ道具である『通話横取り電話』を使うと、ジャイ子が編集部にかけた電話をのび太が受けっ取って、編集者の代わりに応答することができる。

 

【使用目的】 ジャイ子が編集者にお礼の電話をしたいと言い出したので、ジャイアンはドラえもんから「通話横取り電話」を出してもらっている。

 

【使用結果】 ジャイ子が編集部に電話をかけると、「通話横取り電話」を使っているのび太編集長から「や~や~クリスチーネ先生!! こないだは傑作をありがとうございました。人気アンケートで、たちまちトップになりました。

 

  いまや先生の人気は、日本一…世界一…」との返事が返ってきた。すると、ジャイ子は「人気のわりには、ファンレターが一通もこない」ことを不思議に思った。

 

 のび太がよけいなこと言うからだということになり、結局、ドラえもんがひみつ道具『もはん手紙ペン』を出すことになった。ダイヤルを替えて、幼稚園から大学生まで幅広いファンレターを段ボールいっぱいなるまで、のび太は書きまくった。

 

  心のこもった手紙を読みながら、ジャイ子は「でも…、おかしいな。こんな人気作家は、ほかの雑誌もほっておかないと思うけど」とつぶやいた。

 

 「もっとたくさんの雑誌にのせろ!!」となり、『アンコロモチストーリーズ』、『日出処は天気』、『ペロペロキャンディ』を「マンガレット」、「少女ブレンド」、「ギャオ」にのせることができた。

 

  すると、ジャイ子は「原稿料が入ったら、お城みたいな家を建てようね」となった。ドラえもんたちも「そこまでめんどうみられるか!!」、ジャイアンも「おれ、うちへ帰れないよ」と悲鳴を上げ出した。

 

 ジャイ子は「よくこんなまんがが、雑誌にのったものだと思うわ。どれもこれも、プロのまねじゃないの。わたしのかきたかったまんがは、こんなものじゃいないんだわ」となり、読者がどうみているか、生の声を外に出て聞くことにした。

 

 スネ夫がやってきたので、「クリスチーネって新人のまんがよんだ?」、「きいたことないなあ。ひっでえまんが!! へたくそでシッチャカメッチャカで、よくもこんなはじしらず…」と話したところで、ジャイ子に気づいた。「ジャイアンに、殺される」といって気を失ってしまった。ジャイ子は「はっきりいってくれてよかった。これで目がさめたわ」となった。

 

 「編集部ですか、クリスチーネです。あんな作品で、原稿料なんかいただけません。第一歩から勉強し直します。あれはなかったことにしてくださいね」と「通話よこどり電話」にかかってきた。その電話を受けたジャイアンは「えらいぞ、ジャイ子…。いや、クリスチーネ先生」と感涙にむせんで応対していた。

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