未知とのそうぐう機 [★★★]
[初出誌] 『未知とのそうぐう機』、「小学四年生」1978年4月号、10頁、62コマ
[単行本] 『未知とのそうぐう機』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第17巻」1979年7月25日 初版第1刷発行、12頁、77コマ
[大全集] 『未知とのそうぐう機』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 8」2010年6月30日 初版第1刷発行、12頁、77コマ
【初出誌vs.大全集】
「あ……………」、「消えていく…」コマ挿入[250(5)]
「しばらくうろうろして」、「帰っていく」コマ挿入[251(3)]
「なんどやってもあきないや」、「ピンポ~ン ピンポ~ン」コマ挿入[251(4)]
「文字なし」コマ挿入[251(5)]
「ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ」コマ挿入[251(7)]
「文字なし」コマ削除[107(2)]
「わあ、来るな来るな」コマ挿入 [252(1)]
「ドガ~ン」コマ挿入[252(2)]
「ウイン ウイン ウイン」、「ギ・ギ……」コマ挿入[252(4)]
「カパ」コマ挿入[252(5)]
「まさかおもしろ半分じゃあるまいな、だって」コマ挿入[254(7)]
「話はかわるが、ハルカ星の連合艦隊は、これまでの宇宙戦争で、いちども負けたことがないんだって」コマ挿入[254(8)]
「ま、ま、ま、」コマ挿入[256(4)]
「文字なし」コマ挿入[256(5)]
「もうだめ!」、「地球はほろびるんだ、きみのせいだぞ」、「そ、そんな……」コマ挿入[256(6)]
「文字なし」コマ挿入[257(1)]
「意味不明記号」コマ挿入[257(4)]
[梗概] のび太は部屋に珍しい機械が置いてあったので、いじろうかどうか迷っていた。そこへ、ドラえもんがやってきて、「わかりもしないのにかってにいじって、ろくでもないことになるんだ。いいかげんにしてくれ!」とのびたの意見も聞かないで怒鳴りつけ、「ぜったいに、いじるなよ!」と命令して出掛けている。
腹を立てたのび太がいじくると、「ルルル ピンポーン ウイン ウイン」という奇妙な音が鳴り響いた。しかし、なにも起こらないので、「く~だらない」とその機械を蹴り飛ばした。
しばらくすると、窓の外にUFOが現れたので、UFOを呼び出す機械だと確信した。この機械をもって、ドカンのある広場に行くと、ジャイアンたちが話をしていた。
みんなにUFOを呼ぶ機械だと説明しても、だれも信用してくれないので、のび太がその機械をいじくると、例の「ルルル ピンポーン ウイン ウイン」という奇妙な音が鳴り響いた。そして、目の前にUFOが出現したので、みんなは驚きのあまり、開いた口がふさがらなかった。
家に帰っても、退屈なのでボタンを押すと、ラジコンみたいにたちまち現れ、しばらくウロウロして、帰っていった。何度やってもあきないので、時には足でボタンを「ピンポーン ピンポーン」と押していた。すると、「ゴゴゴゴゴ」と近づいてきて、「ドガ~ン」とのび太の狭い部屋に直接やってきた。
UFOは「ウイン ウイン ウイン ギ・ギ…… カパ ジャーン」とハッチを開けて、宇宙人が現れた。宇宙人が意味不明の言葉でのび太に話しかけているとき、ドラえもんが「あ~つ、やってくれちゃって!」と部屋に飛び込んできた。
ドラえもんはひみつ道具『未知とのそうぐう機』の説明をし出した。この機械は、未来の世界でも発明されたばかりのものである。
ここからでた電波を受けた宇宙人はどんな遠くにいても、UFOで飛んでくる。何しろ何百光年という遠い星から飛んでくるので、用もなく気やすく呼ぶと、「カン カン」に怒って、宇宙戦争になりかけたこともあると詳しく説明した。
ドラえもんが「ホンヤクコンニャク」で話を聞くと、「さっきから何度もよびつけたのはきみか。ハルカ星からきたハルバルで、いいたかないけど、地球までの燃料費が二千万円もかかり、ごはんのさいちゅうによびだされたので、はやく用事をいってくれ」という内容であった。
さらに、「まさかおもしろ半分じゃあるまいな、話はかわるが、ハルカ星の連合艦隊は、これまでの宇宙戦争で、一度も負けたこがない」といった内容が付け加えられた。
宇宙人のハルバルはイライラして,どんどんきげんが悪くなったので、食事で何とかごきげんを取って、ごまかして帰ってもらおうとした。地球の食べ物はうまいと喜んでくれたので、のび太は台所の冷蔵庫に食べ物を取りに行くと、ママに見つかってしまった。
「これは地球の平和を守る」ためと懸命に訴えたが、ぜんぜん理解してもらえず、挙げ句の果て、宇宙人を見て、「アザラシなんかつれこんで…。シッ シッ バシン」と叩き出そうとした。
宇宙人が「ハルカの宇宙艦隊で地球をせめてくる」といって、帰ろうとするので、ドラえもんとのび太は宇宙人にタックルすると、全身に電流を浴びて吹っ飛ばされてしまった。ドラえもんは「もうだめだ! 地球はほろびるんだ、きみのせいだぞ」と責められても、のび太は「そ、そんな…」と泣き崩れるばかりであった。
宇宙人がUFOに乗り込もうとしたとき、足下に落ちていたビー玉を見て騒いでいた。ハルカ星ではガラスができなくて、地球のダイヤよりも値うちがあるということがわかった。
そのため、のび太は「地球とハルカ星の友情のしるしとして、ビー玉をおくりたいと思ってよんだんです」と、箱いっぱいに入ったビー玉をプレゼントした。すると、感激した宇宙人はのび太に抱きついて、熱烈なキッスをしてくれた。
ドラえもんとのび太は手を取り合って、「ついに地球は滅亡からすくわれたのであった!」と祝福したのである。この光景を見た、のび太のママは「テレビのみすぎです」ときっぱり言い切っている。
[S0832・A1714・047804]