ドラやき・映画・予約ずみ [★★]

[初出誌] 『リザーブ(予約)マシン』、「小学四年生」19782月号、10頁、65コマ

[単行本]  『ドラ焼き・映画・予約ずみ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第17巻」1979725日 初版第1刷発行、11頁、70コマ

[大全集] 『ドラ焼き・映画・予約ずみ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 72010428日 初版第1刷発行、11頁、70コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『リザーブ(予約)マシン』が『ドラ焼き・映画・予約ずみ』に変更

 「あれ……」、「なんだかのび太が来るような気が……」コマ挿入[317(4)]

「外出しないで待っていなくちゃならないような気が……」コマ挿入[317(5)]

「家に帰ってのび太を待とうという気が……」、「おかしい!」コマ挿入[317(6)]

 

「こうやって予約してでかければ」、「むだ足をしなくてすむんだ」コマ挿入[317(7)]

「帰りにレストランで食事しようよ」、「席なら予約しておいたから」コマ挿入[318(1)]

 

[梗概] いま大評判の『スタージョーズ』という映画の指定席券は、ひと月先まで売りきれという盛況であった。のび太はどうしても見たかったが、パパから半年たったら見に行こうと言われてガッカリしていた。

 

 部屋に戻ると、どら焼きがおいてあったので、食べようとして「アグ! アグ!」と努力しても、どうしても食べることができなかった。帰ってきたドラえもんから、予約カードが入れてあるため、予約した以外の人が手を出せないことになっていると説明を受けた。

 

 ドラえもんの出したひみつ道具『リザーブマシン』に、ほしい物とかしたいことをカードに書いて入れると、予約したことになって、ほかの人が手を出せなくなる。したがって、この機械に「スタージョーズ」と書いて、「ガチョン」と入れると、いつでも、好きなときに見ることができるので、パパに連れて行ってもらおうとした。

 

  パパはぜんぜん信用しないので、のび太が「もし、劇場へ行って入れなかったらなんでもいうことを聞くよ」と申し出ると、パパから「じゃあ、これから毎日きちんと勉強するか?」と約束させられた。そのため、のび太も少々心配になってきた。

 

 友だちがのび太の借りたいマンガを持ってきてくれたが、偶然遊びにきたジャイアンが、そのマンガを強引に借りて持っていってしまった。友だちに聞くと、のび太は一番最後になるだろうという返事だった。

 

  そこで、「リザーブマシン」に「あの本はぼくが一ばんによむ」と書いて入れると、腹を立てたジャイアンが「なぜかのび太の次じゃないとよむ気がしない」とわざわざ家まで持ってきてくれた。さらに。買いそこなった記念切手もこの機械に頼むと、手に入れることができた。

 

 買いそこなってくやしがっているジャイアン、はる夫、スネ夫に、記念切手を見せびらかしに行くため、留守だとつまんないので、この機械に「ぼくがいくまでどこへもでかけるな」とカードに書いて、「ガチョン」と予約した。

 

  見せびらかしに出掛けようとしたら、パパにつかまり、「行くならそろそろでなきゃ」と誘われたので、予約した映画を見に出掛けた。電車の席もふたつ予約していたので、銀座まで座っていくことができた。

 

 映画館の周りをお客さんの行列が取り巻いていたが、ふたりはよい席に座って迫力ある映画を見ることができた。帰りはレストランで食事をして、夜遅く帰ってきた。家につくなり、ドラえもんから、友だちが夕方からジャンジャン電話を入れていると告げられた。

 

  スネ夫は「いつまでまってもこないから、一歩も外へでられなかったぞ!」、はる夫は「こっちにもいろいろ予定があったんだ!」、ジャイアンは「見てろよ。あした学校でたっぷりお礼してやるから」と、いずれも猛烈に腹を立てた電話ばかりであった。

 

 翌朝、真っ青な顔をしたのび太はブルブル震えながら、「どんなめにあわされるかなあ」と言いながら、学校に出かかている。ドラえもんは心配して、「お医者さん予約しておこうか?」と尋ねていた。

 

 この作品の欄外には、予約ずみと書かれた救急箱を見て、のび太が真っ青な顔をして震え上がっている姿が描かれている。

[S0737A1716047802]