家がロボットになった [★★]
[初出誌] 『ハウスロボット』、「小学四年生」1977年12月号、10頁、68コマ
[単行本] 『家がロボットになった』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第17巻」1979年7月25日 初版第1刷発行、10頁、68コマ
[大全集] 『家がロボットになった』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 7」2010年4月28日 初版第1刷発行、10頁、68コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『ハウスロボット』が『家がロボットになった』に変更
[梗概] のび太は楽しそうにおめかしをして、日曜日に朝から晩までじっくりと、しずちゃんの家で勉強するために出掛けた。途中、ジャイアンに会ったので勉強の話をすると、「へやが五つもあってよ。
どのへやも好きに使っていい」と強引に誘われた。しかし、断ると、ジャイアンにのび太は「ひとの好意をすなおに受けられないってのか!」とすごい形相で脅かされてしまった。
しずちゃんがあんまりおそいのでむかえにきたので、ドラえもんといっしょにさがしに出掛けると、ジャイアンの家からのび太の泣き声が聞こえてきた。家に入ると、のび太は夕方までの留守番を頼まれ、さらに、ちらかった家の掃除をしておけと命令されていた。
しずちゃんはその話を聞き、「しかたないじゃない。てつだうわ。そのあといっしょにここでお勉強しましょ」と言って、勉強道具を取りに帰っている。ドラえもんは「自分のことは自分でやらせよう」と言いながら、ひみつ道具『ハウスロボット』を取り出した。
このセットを家の真ん中に取り付けると、家がロボットになってたいていのことをひとりでやることができるようになった。
ドラえもんがそのロボットに問い掛けると、テレビの画面に返事をアウトプットしてくれるようになる。きれい好きなロボットのため、熱心に掃除を始めだし、しずちゃんが戻ってきたときには、すっかりきれいに片づいていた。
のび太が勉強をしたいとリクエストすると、テーブルを出し、ストーブに火をつけ、静かな音楽を流して、気持ちよく勉強できる状態にしてくれている。さらに、疲れた頃には、お茶も出してくれる親切な家になっていた。
押し売りがやってきて、子どもしかいないことに気づくと、「買わねえとひどいぞ!」と脅しながら、「ドカ ドカ」と土足で部屋の中へ入ってきた。
すると、タタミが押し売りを「グ・グー」と持ち上げ、さらに、タタミやふすまが押し売りの上に「バタ バタン」とおおいかぶさり、「ギャア おばけやしき」と絶叫させて、追い出すことに成功している。
ロボットが「勉強ガ スンダラ アソビニ イキナサイ。ルスバンハ ヒキウケタ」といった許可を出してくれたので、しずちゃんの家でゲームすることになった。
途中、広場で野球をしていたジャイアンに見つかり、「あ、るすばんしてろといったのに」と怒鳴られたが、ジャイアンに「便利な家になったよ」と告げて、のび太たちはその場を去っている。
ジャイアンが家に帰ると、玄関が「スウ」と自動的に開き、バットやグローブを「ポイ」と畳の上に置くと、「ピョコ」と押し入れにしまってくれた。
ジャイアンはお茶を飲みながら、「こりゃいいや。だけど、どうせならこのボロ家をもっときれいにたてなおしてくれりゃもっとよかったのに」と虫のいいことをいうと、怒ったタタミに「ボン」と窓の外に放り出されてしまった。
ジャイアンは「ドン ドン」と玄関を叩きながら、「悪口いって悪かった。入れてくれえ」と、懸命に謝っていた。この光景を見たのび太は「おこらせるとこわいね」と、ドラえもんに声を掛けていた。
[S0735・A1713・047712]