盗塁王をめざせ[★★]
[初出誌] 『無題』、「小学四年生」1976年12月号、8頁、54コマ
[単行本] 『盗塁王をめざせ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第13巻」1977年4月25日 初版第1刷発行、8頁、54コマ
[大全集] 『盗塁王をめざせ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 6」2010年3月30日 初版第1刷発行、8頁、54コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『盗塁王をめざせ』に変更
[梗概] のび太がフォアボールで珍しく一塁に出たが、ちゃんとリードを取っていなかっため、ダブルプレイになってしまった。きょうは思い切り「スタ スタ スタ」とリードを取ったら、けんせい球でアウトになり、みんなに袋だたきにされてしまった。
家に帰って、のび太は「リードしてもだめ、しなくてもだめ。どうすりゃいいんだよ」と、泣いてドラえもんに訴えていた。
すると、ドラえもんはひみつ道具『しゅん間リターンメダル』を出してくれた。Bのメダルを一塁に置き、Aのメダルを身につける。安心して大きなリードがとれるので、二塁に行ってもいいし、危ないと思ったらAのボタンを押せば、一瞬にもどることができる。
このひみつ道具があれば、盗塁王になれると思い、早速、ジャイアンに野球をやろうと電話を入れた。ジャイアンから、たったいま、おまえのおかげで負けたばかりじゃないかと、怒鳴られてしまった。ドラえもんからも「ものごとをかんたんに考えすぎる。じぶんがおっちょこちょいだってこと、わすれるな」と釘を刺された。
ママから、「学校から帰ったら、すぐ勉強しなさいといったのに、遊んでばかり」と叱られた。のび太は練習のチャンスだと思い、「ほんとにぼくが勉強しているかどうか、時どきのぞいてほしい」と、ママに頼んでいる。のび太はバッジBを椅子の上に置き、寝転がってマンガを読み出した。
ドアが「カチャ」となると、「パチ」とバッジAを押して、「パッ」と椅子に座って勉強をしている。何度も何度も成功に味を占めたのび太は、外から「パッ」と戻れる距離百メートルをドラえもんから聞き出した。
のび太は外を歩いているジャイアンを「ポン」と蹴り、「なにしやがる。やい、のび太」と怒っているジャイアンに、二階から「なんのこと? ぼくはずっとここにいたよ」といって驚かせている。
野球で、デッドボールに出たのび太は「スタ スタ」と塁を離れ、けん制されても「パッ」と戻っている。おもしろいので何回も繰り返していると、ジャイアンが「ガアン」と大きな当たりを打った。盗塁の楽しみがなくなったと走っていると、ジャイアンからホームへ突っ込めと怒鳴られてしまった。
ホームのすぐ前でジャイアンと一緒にころんだはずみで、メダルのボタンを押してしまったので、二人とも一塁に戻ってダブルプレーになってしまった。
頭にコブを三つ作って、のび太はドラえもんに、「またもやみんなにふくろだたき。ぼくはどうしたらいいんだろう」と泣いて訴えている。ドラえもんもマンガを読みながら「もう知らん」と腹を立てていた。
[S0645・A1316・047612]