ミサイルが追ってくる[★★]
[初出誌] 『ゆうどうミサイル』、「小学四年生」1976年5月号、9頁、69コマ
[単行本] 『ミサイルが追ってくる』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第12巻」1976年12月25日 初版第1刷発行、9頁、69コマ
[大全集] 『ミサイルが追ってくる』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 6」2010年3月30日 初版第1刷発行、9頁、69コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『ゆうどうミサイル』が『ミサイルが追ってくる』に変更
「すごうい」が「すごーい」に変更[238(1)]
「またのらねこのクロがきてるね」が「またのらネコのクロが来てるのね」に変更[241(10)]
[梗概] しずちゃんはカナリア、のび太は金魚、ドラえもんはどら焼きを、野良猫のクロに食べられてしまった。ドラえもんは「いっぺんつかまえてぎゃふんといわせてやろう」と腹を立てていたが、のび太は「あんなずるがしこいやつはいないよ」と言いながら、無理だよと判断していた。
ドラえもんはひみつ道具『ゆうどうミサイル』に、あのネコの顔をよく見て覚えろと命令しながら、「シュウ シュボ」と発射した。最初は、「ヒュルルル」と頼りない追跡のように見えたが、このミサイルに一度狙われたらぜったい逃げられないので、野良猫のクロは疲れ切って、ドカンの上で「ボジャン」と攻撃されてしまった。
このミサイルを持って歩いていたら、のび太の頭にボールが「ガチ」と当たった。ジャイアンから、「ぼんやり歩いているからだ」と言われたので、「あいつをねらえ。あの顔をわすれるな」と命令して、ミサイルを発射した。
ミサイルは「ズシン」とドカンでつぶされても、家に隠れて玄関を閉め切っても、ジャイアンのかあちゃんの買い物かごに入って、家のなかのジャイアンを執拗に追いかけていた。ジャイアンはこのミサイルを巧みにかわして、なんとか窓の外に追い出している。
のび太はこのミサイルに、「おまえもだらしなすぎるぞ」と叱りつけ、「どこかすきまをみつけて、もぐりこめ」とハッパをかけている。ジャイアンが家の鍵を全部掛けてしまったので、このままではきりがないと思って、「ニャーゴ ゴロニャーゴ」とネコの鳴き声をまねして、窓を開けさせようとした。
ジャイアンのかあちゃんが「またのらねこがきてるね」と言いながら、窓を開けて、バケツの水を「ザバ」と掛けると、のび太にもろにかかってしまった。吹っ飛んだメガネを探しているときに、ハチの巣にぶつかって、「ブウン」と襲ってきたハチの大群に鼻とほっぺを刺されてしまった。
刺された顔がジャイアンそっくりになってしまった。すると、ミサイルは方向転換して、のび太を追跡し出した。ドラえもんは「ぼくとしてはミサイルの燃料がきれるまでにげつづけられるよう、いのるばからだ」と、あきらめの心境になっていた。
[S0638・A1201・047605]