百年後のフロク[★★★]
[初出誌] 『無題』、「小学四年生」1976年2月号、9頁、60コマ
[単行本] 『百年後のフロク』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第10巻」1976年4月25日 初版第1刷発行、9頁、62コマ
[大全集] 『百年後のフロク』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 5」2010年1月30日 初版第1刷発行、9頁、62コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『百年後のフロク』に変更
「おういのび太くん聞こえる?」コマ挿入[322(2)]
「ヒュン」コマ挿入[322(8)]
[梗概] のび太は『小学四年生』の二月号を全部読み終わったので、ドラえもんに未来の『小学四年生』を読みたいと頼んだ。セワシがいなかったので、ドラえもんがだまって借りてきた2125年2月号は、本も付録もとても小さいものであった。
しかし、本を開くと、宇宙動物パークの絵が大きく広がって、「ジャジャ ジャーン ギャース ギャース」と動いて音もバッチリ出た。連載マンガは「モライもんとヒロイもん」、「ナインテン」、「プラスチックの靴」などであった。
付録は、「算数名コーチ」や「クイズパズル百科」のほかに、「ジューンのハウスセット着せかえつき」や「びっくり立体スコープ」と盛りだくさんであった。ジューンちゃんはドラえもんの時代のものすごい人気タレントであり、ハウスセットや着せかえは実物大でしかも立体的であった。服もたくさんついており、本来女の子向きの付録であった。
庭で、ドラえもんとのび太がジューンちゃんに服を着せているところを、スネ夫に見られた。スネ夫がジャイアンやしずちゃんに、「のび太がきれいな女の子をはだかに!」と叫びながら告げると、ジャイアンは「なぬ? うらやまし…、いや! いやらしいやつめ。おれにもやらせ…、いや、やめさせよう」と言いながら、三人で走って見に行くことにした。
三人が庭をのぞくと、「ゴガァ」と巨大な怪獣が現れたので、大急ぎで退散している。もういっぺん見てこようということになり、庭をのぞき込むと、二千百二十五年型の自家用ロケットが現れ、まもなく、「シュッ」と消えてしまった。
のび太とドラえもんが「立体スコープ」を操作した結果であり、ほんとに飛び出すところがとても魅力的な付録であった。
しずちゃん、ジャイアン、スネ夫を交えて、みんなで未来雑誌の付録である「日本一周大旅行ゲーム」をすることになった。みんなひとつずつさいころをもって遊ぶゲームで、ジャンケンの結果、めずらしくのび太が勝ったので、さいころを振ると一の目が出た。
のび太が京都を選ぶと、「ヒュン」と消えてしまった。京都に行ったのび太とはさいころで、自由自在に連絡を取ることができた。
しずちゃんは札幌、ジャイアンは大阪、ドラえもんは博多、スネ夫は岡山と全国に散らばった。さいころには地図がうつるので、みんながどこへ行ったか一目でわかる仕掛けになっていた。二回目のさいころを振ると、のび太は松江、しずちゃんは振り出しに戻ってしまった。
そこへセワシがやってきて、本も付録もみんなもって未来の世界へ帰ってしまった。のび太のママがごはんになったので呼びに行くと、しずちゃんひとり部屋にぽつんと立っていた。そして、しずちゃんが「とうぶん帰れないと思います。みんな日本じゅうにちらばっているから」と報告すると、ママはポカンと立ち尽くしてしまった。
[S0547・A1007・047602]