チルチルペンキとミチル網[★★]

【道具解説】 ひみつ道具の『ミチル網』(144)で鳥を捕まえ、『チルチルペンキ』(144)を鳥に吹き付けて青い鳥にすると十五分の間幸せが訪れる。

 

【使用目的】 のび太が世の中でぼくほど不幸な人はいないと嘆いていた。しかし、かたわらでドラえもんがドラ焼きを「パク パク ムシャ ムシャ」と食べているので、のび太は「ぼくは不幸だ。ワア~~」とさらに号泣し出した。ドラえもんは渋々「チルチルペンキとミチル網」を取り出している。

 

【使用結果】 早速、タケコプターを付けて、のび太がカラスを見つけると、「あまりかっこよくない」、スズメの場合は、「もう少し上品な鳥」と注文ばかりつけるので、ドラえもんににらみつけられ、スズメに「チルチルペンキ」を吹きつけて青くしている。

 

  「ミチル網」に入れて家に持って帰ると、ママから「さっきはおこりすぎたわ。おこづかいあげるから、これからがんばってね」と言われた。

 

 のび太はしあわせを売る男だと自称しながら、しずちゃんにしあわせにしてあげるというと、「いま、しあわせよ」、スネ夫からは「ハンサムで頭がよくて金もち」と言われてしまった。ジャイアンを見ると、「あっ、不幸そうな顔!! 不幸なのがいてよかった!」と口に出したので、ジャイアンから「ひとの不幸をよろこぶのか!!」と頭をたたかれてしまった。

 

  その上、歌の練習をしていたら、テープレコーダーが壊れたので、一時間以内に青い鳥を連れてこいと命令され、連れてこないとおまえがすごうく不幸になろぞと脅されてしまった。

 

 広場のドカンに一羽の鳥がとまっていたので、網で捕まえようとしたら、ドカンの中にいた人に網をかぶせてしまった。その人は借金取りに追い掛けられ、一万円借りただけなのに、利息が増えて百万円よこせと脅迫されていた。

 

  のび太はそのかわいそうな男性を助けるために、懸命に鳥を捕まえようとして、ペンキをプシュと発射すると、鳥ではなく、ひとりの怖いおじさんに吹きつけてしまった。

 

 この怖いおじさんは執念深く、逃げても逃げても追い掛けてきた。もうダメだと思って逃げ込んだ家は借金をした人の家であった。借金をした人が怖いおじさんを見ると、「借金とり!!」と叫んだ。

 

  すると、借金取りは「ワ~ ワシは、なんてざんこくな悪いやつだったのだろう」と謝り、借用証を破り捨てて、「金なんか返さなくていい」と言って帰って行ってしまった。

 

ジャイアンに会うと、「おまえがけとばしたら、直ったよ」と感謝された。しかし、のび太はジャイアンをけとばした記憶もなく、チンプンカンプンの心境であったが、何故か、ドラえもんからは「青い借金とりのおかげだ!」と説明されている。

[S10244A22089037911144/144]

「チルチルペンキとミチル網」は「青い鳥のチルチルとミチル」のパロディ版である。