チャンスカメラ[★★]

【道具解説】 『チャンスカメラ』は何か事件の起こりそうな時、あらかじめその場所へ連れて行ってくれるひみつ道具である。カメラの切り替えレバーを使うと、身の回りレベルから社会的レベルまで自由に撮影できる。

 

  予知ボタンを押すと、これから起きる出来事を画面に映すことができる。インチキレベルに切り換えると、たいした事件でもないのに大事件みたいに写すことができる。

 

【使用目的】 スネ夫の撮影した決定的瞬間の写真が「朝口新聞」に大きく掲載された。それに対抗して、のび太もみんなの前で決定的瞬間の写真を撮影すると宣言し、ドラえもんに「チャンスカメラ」を出してもらって挑戦している。

 

【使用結果】 「チャンスカメラ」が「身の回りレベル」にセットしてあったので、ママがバケツを持っていて滑ったり、ジャイアンの手元が狂って神成さんの家のガラスをボールで割ったりという、くだらない事件ばかりであった。「社会的レベル」に切り換えると、団地に連れてこられ、大きな事件が起こりそうであった。

 

  「予知ボタン」を押して見ると、画面には今から三分後に、奥さんがベランダから落ちるシーンが写っていた。早速駆け上がって注意すると、奥さんがビックリして植木鉢を落としてしまったので、こっぴどく叱られてしまった。

 

 今度は12分後に爆発が起こって、火事になっているシーンが現れた。急いでその家に行くと、レンジの火が消え、ガスが漏れていたので、窓を開けると、そこの主人がタバコをくわえて現れた。

 

  そして、またまたこっぴどく叱られたので、のび太が腹を立ててしまった。ドラえもんは片端から事件をもみ消しているのであるから、写真が撮れないのは当然だ、と反論した。

 

 決定的な写真が撮れないので、のび太は「スネ夫にバカにされる」といって泣き出した。最後の手段として、レバーを「インチキレベル」に切り換えた。

 

  このレベルで撮影すると、たいした事件でもないのに大事件にみたいに写る。夫婦げんかを写したり、ジャイアンに追っ掛けられ、のび太は辛うじて交わして、ジャイアンが池に落ちたので、ジャイアンが「おぼえてろーっ!!」と叫んでるシーンを写したりした。

 

 現像してスネ夫やしずちゃんに見せると、「UFOがうつってるわ!!」、「公園にネッシーが!?」写っている決定的瞬間の写真であった。夫婦喧嘩で投げ合ったサラがUFOに、ジャイアンの拳と頭がネッシーそっくりであったためである。

[S09672B04016068201143]