無人島の作り方[★★]
[初出誌] 『無題』、「小学四年生」1975年8月号、11頁、74コマ
[単行本] 『無人島の作り方』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第9巻」1975年11月25日 初版第1刷発行、13頁、86コマ
[大全集] 『無人島の作り方』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 5」2010年1月30日 初版第1刷発行、13頁、86コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『無人島の作り方』に変更
「ね、どのくらいの大きさの島ができるの」コマ挿入[230(6)]
「ふきだすマグマの量によるね」コマ挿入[230(7)]
「どうやってふん火をおこす?」コマ挿入[233(4)]
「「強力岩トカシ」」コマ挿入[233(5)]
「文字なし」コマ挿入[234(1)]
「文字なし」コマ挿入[234(3)]
「なんのことだろう」、「さあ」、「ドラえもんがまた何かおもしろい物つくったのかな」コマ挿入[236(3)]
「それにしてもまちどおしいなあ」コマ挿入[236(6)]
「あの丘にぼくらの家を建てよう」、「たいらな部分に野球場」、「公園や遊園地」「これだけ広ければなんでもできるさ」コマ挿入[237(2)]
「ガヤ ガヤ ガヤ」コマ挿入[237(3)]
「はなし声がきこえたよ」、「そんなばかな」コマ挿入[237(4)]
「作ったばかりの島にだれが」コマ挿入[237(5)]
[梗概] のび太もドラえもんも今月のこづかいをへらされているので、パパとママに交渉に行くことにした。ママがパパに「今月から家ちんが上がったのよ。どうしても、お金がたりないの」という話をしているのを聞いて、これじゃ仕方がないと思ってしまった。
自分の家を建てれば家賃を払わなくてもいいが、日本の土地はあまりにも高くて、買うことは非常にむずかしかった。のび太が「地面を作る機械」はないかと尋ねたが、仮にあっても、ドラえもんには土地なんかつくって、どこへおいたらいいのか、よくわからなかった。
暑いので、屋根の上で涼んでいたら、のび太が「海へでも行きたいなあ」と言い出した。
ドラえもんは閃いて、海の上に土地を作ればよいと思った。早速、なるべく浅いところにあるマグマを噴火させて、火山島を作る計画に着手した。のび太はタバコを半分に切って吸っているパパに、もうすぐひと箱吸えるようにしてあげるとか、ママには家賃を払わなくてもよくなるとかと話していた。
のび太は夏休みにタイガー戦車や戦艦大和を作るんだと話している、スネ夫やジャイアンを幼稚だなあと思った。
ひみつ道具の『エラ・チューブ』、『深海クリーム』、『ま水ストロー』を準備して、海に潜ることにした。ひみつ道具『マグマ探知機』を使って、海底のマグマを見つけようとしたがなかなか見つからなかった。
のび太が「まだあ! くたびれたよ、もう」と言いながら海底にしゃがむと、探知機が「マグ マグ マグ マグ マグ」と鳴りだしたので、ドラえもんはひみつ道具『強力岩トカシ』をその上に設置した。
避難してしばらくたつと、海の魚が勢いよく逃げ出すのを目にすることができた。海面が盛り上がると、海底火山が噴火をはじめだした。家に帰って何日かたつと、島ができるので、東京から島まで、地下鉄でつなごうとか、「のび太ランド!」の完成が待ち遠しいとかを二人で話し合った。
食卓でも、「こんど家をたてるとしたら、ぼくのへや二十じょうにしてね。パパの書さいや、ママのひるね室なんかもたてようね」と話がどんどん膨らんでいった。
のび太がジャイアンとスネ夫にいじめられたとき、「ようし! きみたち、のび太ランドに入れてやらないっ」と叫んだ。
最初、二人にはチンプンカンプンであったが、ドラえもんが何か新しいものを作ったらしいということになり、「なんだかしらないけど、入れてえ。ねえ、のびちゃん」と強烈にゴマをすりだした。しずちゃんたちも「わたしたちも、入れてくれるの?」と尋ねている。
テレビでも、「八丈島おきに、新島が発見されました」というニュースが流れたので、ドラえもんとのび太は「タケコプター」を装着して、ぼくらののび太ランドを見学に出掛けた。
のび太とドラえもんが「あの丘にぼくらの家をたてよう。……。これだけ広ければなんでもできるさ」と大喜びしていると、遠くの方から、「ガヤガヤ」という話し声が聞こえてきた。
丸角建設などの関係者が「わが社はこの島を、レジャーランドにするのだ。うちが別荘地として売るのだ。うちがいちばんはやくきたぞ。何いうてまんのや。うちが先や!」と騒然となり、一触即発の状態になっていた。
そこへ、「みなさん、すぐに立ちのいてください。日本の領海にできた島は、日本のものです。この島は、国の土地になるのです」といった声が、ハンドマイクから流れてきた。
家に帰ると、ママから「のびちゃん新しい土地って、まだできないの」、ジャイアンから「よう、もったいぶらないで、そろそろつれてけよ、のび太ランドとかへ」と責められた。困り切ったのび太は「なんかだしてよ、空中に土地をつくる機械とか」と強引に頼んでいたが、ドラえもんも「そんなのないない!」と弱音を吐いていた。
[S0541・A0910・047508]