デンデンハウスは気楽だな[★★★]
[初出誌] 『無題』、「小学四年生」1975年7月号、9頁、70コマ
[単行本] 『デンデンハウスは気楽だな』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第9巻」1975年11月25日 初版第1刷発行、9頁、71コマ
[大全集] 『デンデンハウスは気楽だな』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 5」2010年1月30日 初版第1刷発行、9頁、71コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『デンデンハウスは気楽だな』に変更
「ごめんください」コマ挿入[223(8)]
[梗概] テストの答案をいくら探しても見つからないので、のび太はママから「叱られたくないから、すてたんでしょう!」と邪推され、挙げ句の果て、「ママはうそつきが大きらいです。反省しなさい」と叱責されてしまった。
のび太は「なさけないじゃないか。こんなに自分の子を信用できないなんて」とドラえもんに訴えると、「ふだん、よくうそをついてるから、こんなときうたがわれるんだな」と、これまた冷たい対応。
のび太が家出すると言い張ると、ドラえもんは「そろそろ雨がふってきそうだなあ。今夜はすきやきにしようとママがいってたっけ」と、これまた家出の矛先を鈍らすような返答。ついに、のび太は「家出しないで、ママにこうぎする方法ないかな」と相談する始末。
すると、ドラえもんもおもむろに「家出じゃなくて、家入りしたら?」とひみつ道具『デンデンハウス』を出しながら提案している。
「デンデンハウス」は小さいけれども、中に入れば誰も手出しできない優れものである。自由に移動することもでき、そして、「デンデンハウス」の中は窮屈でもなく、涼しくて、気分が落ち着く住まいであった。
どんなにママが「ガミ ガミ」と説教しても、中に入ると何も聞こえず、また、爆弾でも壊れないほど丈夫にできているので、ジャイアンやスネ夫が外部から危害を加えらることは全く不可能である。
のび太が「デンデンハウス」で安らかに寝ていると、しずちゃんが借りたのび太のノートを返しに来て、ノートの中にテストが挟まっていたことを教えてくれた。
ママもそのことを聞いてのび太に謝ったけれども、のび太は「ぼくの心はふかあくきずつけられたんだ」と言いながら、「デンデンハウス」から出るための4つの要求をママに申し出た。
その要求とは、むやみにぼくをうたがわないこと、やたらに勉強させないこと、おこづかいふやすこと、おやつは一日二度くれること、という身勝手なものであった。
要求が認められて、のび太は「デンデンハウス」を出ることに決めた。さらに、調子にのって、「おつかいなんかさせないこと。めんどくさいときは、顔をあらわなくていいこと」と要求はどんどんエスカレートした。
ママから先ほどの答案を見せて欲しいと言われたので、見せるとその答案は0点であった。ママから「のびちゃん」と怒鳴られると、ドラえもんは「あのおこりようじゃ、とうぶんでられないよ」と「デンデンハウス」の中で「ブル ブル」震えるのび太に告げるのであった。
[S0540・A0916・047507]