タマシイム・マシン[★★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『タマシイム・マシン』は一種の「タイムマシン」で、「たましいだけがぬけだして、むかしの自分のからだに」移ることができる。

 

【使用目的】 大きくなるとのび太に対する大人の扱いが粗末になるので、のび太は「おさなかったあのころにかえりたい…」と涙をためて呟いていた。すると、ドラえもんが「タマシイム・マシン」を出してくれた。

 

【使用結果】 のび太がタイマーを満一歳ころにセットして「タマシイム・マシン」を装着すると、「ポワン ポワン」となって、地面に横たわってしまった。ママから「なんですか、そんなとこでひるねして。ちょっと…、どうしたの? のびちゃん」と尋ねられていた。

 

 「ポロン ポロン コロン コロン」と奏でるおもちゃのある寝室で、のび太はあかんぼになって喜んでいた。ミルクの時間になったので、ママから「おうよちよち。おなかちゅいたでちょ」と言われ、「プーッ クスクス クスクス」と大変ごきげんがよかった。

 

  のび太がほ乳瓶からミルクを飲みだすと、「ウエー、なまぬるいや。あのさあ、どうせならコーラがのみたいんだけど」としゃべると、びっくりしたママはパパやおばあちゃんを呼びに行っている。

 

 ほ乳瓶から自分ひとりで「ゴク ゴク」飲んでいる赤ちゃんが「パパ」、「ママ」、「ばあちゃん」と呼ぶと、「こんなりこうな子はじめて見たよ」、「ひょっとして大学者になるかも」と大騒ぎになった。のび太あかちゃんは「でも、あまりよろこばせすぎちゃうと、あとでがっかりするから気をつけよう」と思った。

 

 なにをやってもほめられるし、叱られもしないし、すきなだけごろごろしていることができた。おねむの時間になったので、ママが「ぼうやよい子だねんねしな ぼうやのおもりはどこいった」と子守を歌ってくれている間に、意識がだんだんなくなっていった。

 

  気がつくと、ママは「ガク ガク」ゆすって、「よかった! 死んじゃったのかと思ったわ。たおれたまま、息もしてないんだもの」といってしっかりと抱き寄せてくれた。

 

 のび太が「そんなに心配した?」と尋ねると、ママはあたりまえでしょ、心ぞうがとまりそうになり、まだひざががくがくし、熱がでたみたいといって、ショックのあまり寝込んでしまった。額に熱冷ましのタオルをおいて横たわっているママに、のび太は「ぼうやのおもりはどこ行った」と歌いながら、毛布をやさしく掛けている。

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