魂抜き取り機(たましいを抜け出させる道具)[★★]
【道具解説】 広場で、ドラえもんはのび太の前に何か怪しげな装置で、ひみつ道具でもある『魂抜き取り機』を取り出し、マッチで火をつけ、煙をうちわで「パタ パタ」と扇ぎ出した。
煙たいので、のび太が「ゴホン ゴホン」と咳いたあと、大きく「クシャン」とくしゃみをすると、のび太の頼りない魂が鼻から飛び出した。この魂がジャイアンの鼻の穴へ飛び込むと、ジャイアンの魂を眠らせ、ジャイアンを自由に操ることのできるようになった。
【使用目的】 のび太がジャイアンに手をついて謝るのを見て、しずちゃんから、「どうしてあんな人のいいなりになるのよ! 自分が正しいと思ったらおし通すべきよ」と言われてしまった。
ドラえもんからも情けないとか、負けてもいいからぶつかっていこうという気がないかと非難された。しかし、のび太が「ぼくがあんなでっかいのとけんかして、けがでもしてもいいのか? ああそう、きみはそういうやつだったのか」と居直られたので、ドラえもんは渋々「魂抜き取り機」を出している。
【使用結果】 のび太の魂が「魂抜き取り機」でジャイアンに乗り移ると、ジャイアンはのび太に謝りにいこうと言い出した。かあちゃんから店を手伝うように言われたが、叱られるのはジャイアン自身であるので、気にしないで出かけた。
スネ夫に会うと、ジャイアンはゴリラの真似をしながら、「おおいにばかにしてわらってくれ。これからおれに会うたびにあかんべえをしろ」と命令した。
広場にみんなが集まると、ジャイアンはのび太の前に正座して、「さっきはすまなかった。本当におれが悪かったんだ。これまでのことはゆるしてくれ」と頭を下げた。ジャイアンは、スネ夫はもちろんのこと、しずちゃんからも「いさぎよくすぐあやまるなんて男らしいわ」と絶賛された。
一方、のび太は「こんなはずじゃなかったのに」とおおいに戸惑っていた。のび太の魂の抜け出たジャイアンもこの大絶賛を、チンプンカンプンで全く理解できなかった。
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