宝星探査ロケット[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『宝星探査ロケット』は財宝探知レーダーを装着していて、宇宙の果てまで飛び続けながら宝を見つけてくれるものである。宝を見つけると報知機のブザーが知らせてくれる。

 

【使用目的】 テレビで、花坂さんが学校の裏山で大判小判あわせて、八十億円にもなる宝を掘り当てたというニュースが流れた。そのニュースを聞いたのび太は畳を叩きながら、「もうぼくの人生にはなんの夢も残されていない」と泣き崩れたので、ドラえもんは「宝星探査ロケット」を取り出した。

 

【使用結果】 ドラえもんから「宝くじよりあてにならないとか、宝さがしに夢中になってロケットを何千本も打ち上げて財産をなくした話」を聞いていたら、「ビーッビーッビーッビーッ」と「宝星探査ロケット」のブザーが鳴り出した。

 

そして、真っ先にガツガツ行動を起こしたのはドラえもんであった。宇宙空間には空気がないので、帆掛け船のようなもので出航し、反重力エンジンを始動させ、アッというまに地球から遠ざかり、アンドロメダ星雲の右どなりを目指した。

 

ドラえもんたちはワープを繰り返し、目的地に近づいたので光子エンジンに切り替え、ひみつ道具『内用宇宙服』を食べて、宝星の着陸にそなえた。

 

 わりと小さな星で、一面雲に包まれ、重力も小さいから飛び下りてもだいじょうぶと確信して、「ザブ~ン」と海に落下したが、とても浅い海であった。ドラえもんは宝島を探知機で「ピーッピーッ ピーッ」と探ると、ロケットの落ちているところを素早く見つけることができた。

 

 「きっと小人の海賊が無人島にうめたんだ。どんな宝だろう金貨かな宝石かな」と二人はワクワクしながら掘っていると、アッという間に無人島がなくなってしまった。つまり、小人の宝物は掘っているとキラキラ光るホコリのような代物であった。二人は「あーあとんだむだ骨折り。家で昼寝してたほうがよかった」と嘆くばかりであった。

 

 しずちゃんに「約束守れなくてごめん」と謝ると、「なんの話?」、「ほら、プールとテニスコート」、「あてもしないわ。のび太さんのいうことだもの」と言われてしまった。再度報知ブザーが鳴ったので、その星の宝物を探しに出掛けた。その星で大きな金の円盤を発見したので、億万長者になったと思い、地球に持って帰ろうと決めた。

 

 すると、大きな宇宙人から「こらあどろぼう」と怒鳴られ、ほうほうの態で帰ってきてしまった。二人は「もう宝さがしはこりごりさ。もう二度といかないぞ」と心に誓うのであった。

 

 三度目のブザーが鳴ってもふたりはあまり行く気がしなかったけれども、行ってみると、地球と同じくらいの星であった。ロケットの落ちた当たりをふたりでスコップを使って掘っていたら、「ガチーン」と音がし、手応えを感じることができた。

 

 「ザックザックザック」と掘ると石貨が出てきた。この星はまだ石器時代で、「ほんやくこんにゃく」を使うと、「ぼくらはこの星で百億円ほどの宝をみつけたんだって」ということがわかった。

 

 スネ夫やジャイアンから「プールにテニスコートつきだって、うそつきのび太ホラふきのび太」とからかわれた。のび太はドラえもんにあのお金を使おうと言いながら、「どこでもドア」でこないだの星にでかけた。

 

 「洞穴がほしいんだけど。住みごこちのいいながめのいい…。お金はいくらでもはらうから」と頼んでみると、「みんなで注文どおりの大洞穴を掘ってくれるって!」となった。

 

のび太はみんなにプールつきの家を建てたので、どこでもドアでその星に案内した。ジャイアン、スネ夫、しずちゃんが大洞穴の前のプールで泳いでいる時、ドラえもんは紅茶を飲みながらどら焼きを三つ食べ、のび太は石器時代の人々に「テニスコートをあのへんに作ってよ」と設計図をもって案内していた。

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