しあわせカイロでにっこにこ[★★]

[初出誌] 『しあわせカイロでにっこにこ』、「小学四年生」197311月号、8頁、50コマ

[単行本]  『しあわせカイロでにっこにこ』、「藤子不二雄ランド ドラえもん短編第10巻」198538日 初版発行、8頁、50コマ

[大全集] 『しあわせカイロでにっこにこ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 320091028日 初版第1刷発行、8頁、50コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

[梗概] ドラえもんが元気のないのび太にその理由を尋ねると、「このごろなんとなくおもしろくないんだよ。ろくなことないんだもん。…、ぼくは生まれつきついていないんだから」とあきらめ顔で説明し出した。

 

  ドラえもんが「そういう考えがよくない! 物事を悪く考えすぎるんだ。…いつも楽しそうにしていたら、ほんとに幸せになれる」と説教し、『しあわせカイロ』を取り出した。このカイロを胸に当てておくと、楽しくなり、世の中がバラ色に見えてくるひみつ道具である。

 

 ママから成績の件で説教を受けたが、このカイロを使うと、のび太はにやにやして、かえって今まで以上強く叱られてしまった。ママがほんとにぼくのことを心配してくれるから怒るんだ。

 

  うれしくて踊り出したい気持ちとスキップしながら外に出ると、ドブに落ちてしまった。ドブでよかった。川へ落ちていたらおぼれるところだったと言いながら、鼻歌交じりで歩き出した。

 

 広場の近くを散歩していると、ジャイアンの打ったボールが頭に当たってしまった。気絶して、立ち上がると運がよかった、ボーリングのボールなら、死んでるところだったと、笑顔を満面に浮かべて感謝した。

 

 ジャイアンやスネ夫に、のび太は「どんなときでもにこにこゆかいにしている」との決意を話すと、そんなことできないと、スネ夫には足蹴りされ、ジャイアンにはゲンコツで殴られた。

 

 ドラえもんが家に連れ帰り、カイロをはずすと、のび太はよく覚えていないけれども、楽しいことばかりあったような気がすると言い、にこにこしていることのすばらしさを強調した。

 

  次の日もニコニコしながら歩いていると、ジャイアンから「あんな目にあってまだにこにこしている」、スネ夫から「ひょっとしたら、ほんとにえらいやつかも…」と絶賛された。

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